四桜主任 ページ4
｢あれ、五代副主任。如何されましたか？｣
｢はっはっは！道に迷ってしまってな！｣
本部に資料を届けようと地下から出てきたところ、桐島は五代と出会った。
｢ここは地下牢の入口ですから、あんまり近づかないようにしてくださいね。｣
｢ああ！すまないな！｣
本当ですよ、と小声で悪態をつく。
五代を無視して、本部へ向かう。モノレールに乗り込み、吊り革に掴まる。
視界の端に桜色の羽織が映り込む。
｢四桜主任！おはようございます。｣
｢貴様は…十三舎の地下牢担当看守。…随分野蛮だと聞いているが。｣
関わりたくない、と目が言っている。
｢ははっ…。どこの舎にも属せない問題児の中で酷い囚人ですからね。少しくらい手荒じゃないと聞かないんですよ。｣
するとようやく四桜は桐島を見る。
｢失礼だが、貴様、その囚人共を力でねじ伏せれる程の力はあるのか？｣
怪訝な顔をする四桜に、桐島は少しだけ悲しそうに言った。
｢その力があってしまったので、地下牢担当看守なんてもんになってしまったんですよ。｣
自嘲気味に微笑む。
四桜は脳裏に看守長のあの笑顔が浮かぶ。四桜は下唇を噛み締めて、桐島を見据える。
こやつが看守長と類は違えど美しいのが悪い。夕闇色に輝く瞳を縁取る睫毛はしっかりとしていて、意志の強さが垣間見得る。
小ぶりだが通った鼻に、桜色に色付いた唇。雪のように白く透き通った肌。
看守長を思わせるその笑顔が気に食わない。
｢…私の前で二度とその笑みを見せるな。｣
｢…は？｣
桐島は驚いた表情を見せる。勢いあまって主任レベルの者に、は？などと生意気を言ってしまったのも仕方ないだろう。
｢聞こえなかったのか。｣
｢あ、いえ。承知しました。｣
不機嫌そうに眉間に皺を寄せて言う四桜の勢いに押されて返事してしまう。
モノレールが停車して、四桜は降りる。
すると立ち止まって、四桜は私にふりかえった。
｢貴様、名前は。｣
｢はっ。十三舎地下牢担当看守、桐島Aと申します。｣
敬礼して桐島はハキハキと名乗る。
四桜は桐島に一瞥して四舎へと戻っていく。
｢…何がしたかったんだあの人…。｣
看守のなかでも有名人である四桜と会話が弾んでいた桐島が珍しいし、地下牢担当看守ということを知って更に興味を惹かれたのだろう。周りの視線が桐島に刺さる。
ようやく本部に到着する。
モノレールを降りた。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
