愛した次男 愛された四男 【おそ松さん】

一松side ページ6

「……………は？」


これがおれの出した声


そりゃこんな声も出るよ


だって……




カラ松兄さんが、おれの左手を紅く染めるはずだったものを握りしめてるんだから



「一松……」



カラ松兄さんがおれの名前を呼ぶ


その手からは、それはそれは紅いものが流れ出てる



「なに………してんの……」


出たのはこんな言葉


「…………一松…あのな、こうやって勢いで止めたけど、これ結構痛いぞ？こんな事しても、苦しいだけだと思うけどな…」


………おれの中で何かが切れた



「……何なんだよっ…！こうでもしなきゃ、自分がなくなるんだ…！お前になんて分かるわけn「分かるさ……」


カラ松がおれの言葉を静かに止める


「分かるにきまってる……前は、俺だって同じ事してたんだから」


「……………」


おれは言葉を失う


カラ松が自傷をしてた？


全くそんな素振りも見せずに？


じゃあ、皆が気付かないまま……


そんな気付かないおれらと一緒にいたって事か？

そんな…そんな辛いこと……


「……お前の言いたいことは何となく分かるが…それはもう前の事だ

今は皆が居てくれる、理解だってしてくれる

お前だって俺を助けてくれただろ？

俺にとっては、それが嬉しかったんだ

俺が言える事じゃないかも知れんが………もう自分を責めるな……」


「カラ松……兄…さ……」


目の前のカラ松兄さんがぼやけて見える


「溜め込む前に俺を頼れ

俺は何だって受け入れてやれる

それに、おそ松やチョロ松だって、お前を助けてくれるはずだろ？

今度は、俺が助ける番だしな」


そう言って微笑むカラ松兄さん


「あり…がと……」


お礼を本当に小さい声で言えば、届いてたらしく柔らかく笑った

それが何だか恥ずかしくて、それでいてとても安心するんだ…

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