【黒バス】深海で見つけた夕空。【逆ハー】

《微笑み》 ページ24

その時、目の前に大きな影が出来る。なんだろう、と思い顔を上げると火神の背中が見えた。


「事情は分かんねーけど、コイツのことあんまり無理に詮索しないでくれ。」


火神は「わりぃが頼む、」と呟き頭を下げた。それに黄瀬と黒子は驚いたような、複雑そうな顔で顔を見合わせていた。
Aは少し切なそうな顔で火神の背中に手を当て「ごめん大我。大丈夫よ。」と呟いた。すると火神は顔を上げて「わりぃ。」と謝った。Aは、火神が謝った意味が分からなかった。それでも不器用な優しさにAは「ありがとう。」と笑った。


「あー、なんか申し訳ないっス。俺達も無理矢理聞くつもりないから。」

「すみません。少し驚いてしまって、感情のまま行動してしまいました。」

「大丈夫よ。冗談なの分かってたから。」


Aは困った顔した二人に微笑んだ。そして「あ、」と呟きAは時計を見る。


「ごめん用事あるんだ。またね。」

「そうですか。用事があるならしょうがないですね。」

「名残惜しいっスけど、また明日！」

「じゃあなA。連絡しろよ〜。」

「うん、またね。」


Aは財布の中の計算をする男達の前に立ち笑った。


「次はこんなんじゃ済まさないわよ。」


その笑顔は背筋の凍るような微笑みだった。

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