《触れた扉》 ページ19
「テツ君、」
「なんでしょうか、Aさん。」
Aは黒子の名前を呼ぶ。すると、丁寧な返事が聞こえた。黒子の律儀な性格にAはバツが悪くなって顔を背けた。
「何も聞かないの? 」
Aが言った。声が震えていた。聞かれるのが怖いのだろうか、それとも何も聞かない黒子に対して申し訳ないのか、それはAにしか分からない。どちらにせよ、今にも泣きそうに顔を歪めたAの表情は抱きしめる黒子には分からないだろう。
「Aさんが聞かれたくないってことぐらい僕でも分かりますよ。大丈夫です。」
「うん、ありがとう。」
黒子は抱きしめる腕の力を、少し強めた。Aの声は震えていなかった。だが、黒子の表情は暗い。そして、バツが悪そうに黒子が口を開く。
「ただ、僕だって気にならないと言ったら嘘になります。それは勿論、他のキセキの世代(みんな)も例外ではありません。」
Aは黙ったまま耳を傾ける。黒子のいうことは最もだ。隠し通すつもりもないし、隠し通せるものだとも思っていない。
「さっきも言いましたが、黄瀬君のメールでキセキの世代全員がAさんが海常に通ってることが知られました。恐らく、近いうちにキセキの世代全員が集合することになると思います。」
その時は、どうか話してください。
Aは黒子の言葉に頷く。隠さない。否、隠せない。それはAもずっと分かっていたのだ。海常に黄瀬が通っていると気がついた、あの入学式の日に。
Aは急に怖くなって、黒子を抱きしめる腕を強めた。
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時