《なぞる記憶》 ページ16
「いや、待つのだよ! A! 」
「おっと、その手には乗らないわよ。」
緑間が逸早く思考を取り戻し、焦って腕をつかもうとしたが、Aは体を捻らせ、緑間の拘束をよける。そしてその時、緑間の手にあった自分の眼鏡を奪う。早技だった。
「大丈夫、もう逃げたりしないわ。必ず、また会えるから。」
「そう、だな。分かった。」
「絶対っスよ! A! 」
「うん、約束。和くんもまたね。」
「お、おう。またなAちゃん。」
Aはそう言って笑うと、校舎に入っていった。そんなAを見送り暫く、高尾を含めた3人は校舎前を見つめていた。
高尾はゆっくりと緑間の隣に歩み寄る。
「ねぇ、真ちゃん。Aちゃんってさ、何者?」
緑間は一瞬高尾を見て再び校舎に視線を戻す。そして「そうだな。お前はAに気に入られたみたいだから知っておく必要がある。」と呟いた。そして最後には小さな声で「不本意だが、」と呟いていた。バッチリ聞こえています。
「Aは帝光中の元生徒だ。」
「え!? 」
「Aは女バスのエースだったんスけど、2年の才能開花前とはいえ、キセキの世代全員を負かすくらいバスケ上手いんスよ。」
「え、えぇぇぇえええ!!?」
高尾は声をあげ、さらに驚く。まさか、まさかとは思ったが帝光中の女バスエースでキセキの世代以上の実力の持ち主とは。せめてマネージャーだと思っていた。
高尾は目を白黒させて驚いていた。その様子を見て黄瀬が「ね? 驚くでしょ? おまけにあのルックスだから、俺達キセキの世代とはめっちゃ親睦深いんスよ。」と笑った。そして緑間が暗い表情で口を開いた。
「だが3年の1学期、突然Aが行方不明になった。」
「え? 行方不明!?」
今度の声は、驚きではなかった。驚愕、と言ったほうが正しいのだろう。なんだか、穏やかな話してはない。
「あぁ、携帯に連絡しても出ない。家に行っても留守。そんな日が2日続けて起こった。しまいには学校が通報し、警察沙汰にまで発展した。」
高尾は次第になんて言っていいのかわからず、言葉を失う。そして黄瀬が口を開く。
「で、通報して、次の日。Aは見つかったらしいんだけど、学校に来ることもなく転校しちゃったんス。」
「え? 転校? なんでまた、」
「それの答えは俺達も知らない。」
「だから、再び見つけたAをもう二度と失うわけにはいかない。」
黄瀬と緑間の瞳は、初めて見るくらいに真剣な瞳だった。
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藤織 藍沙(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さいね! (2015年7月31日 8時) (レス) id: dd65d1f829 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - 更新、頑張ってください!まだかまだかと楽しみにしています!笑応援してます! (2015年6月22日 0時) (レス) id: 8017bac195 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ハートの時計さん» コメントありがとうございます! これからも頑張っていきますので、宜しくおねがいします! (2015年4月9日 6時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 面白いですね(⌒▽⌒) 頑張ってください (2015年4月9日 0時) (レス) id: 2c10ee03cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2015年2月27日 17時