好敵手34 ページ35
「さぁ、準決勝気合い入れていくよ!優勝するぞ!!!」
「「おーっ!!」」
キャプテンである、女テニのエースから始まったかけ声に拍手がおきた。
意外なことにそらっちはじめとした女バスチームは準々決勝を見た後でも戦意喪失したりはしなかった。
運動部しかり、努力家しかり。
そんな子ばかりが集まったこのチームで、“諦める”なんて言葉は生まれないのだろうか。
「さっきの試合見てて分かったのは、とりあえず小林紅亜さんが、いろんな意味でヤバいってことかな。それしかわかんないよね、A」
「紅亜先輩すっごいかっこよかった!!!」
「うん、分かった。でも、次は相手だからね」
そらっちの先輩好きは女子の間では当たり前らしく、ごく普通にたしなめられていた。
「それじゃ、クラスの諸君!応援よろしく!!」
「「よろしくお願いしまーす」」
頑張れ、みんな。
****
「よく食いついてんな…」
隣で木村っちが感心したように呟いた。
試合は三年生がリードしている。
…しかし、点差を見てみると先ほどの試合のような大差はない。
それもそのはず。
一番上手い小林さんを何とかして止めれば、後は同じくらい…いや、もしかしたらうちのクラスの方がほんのちょっとだけ上手いのだから。
「まぁ、小林さんも大人しくボールくれるわけじゃないッスけどね…」
そう。
元、とは言え、強豪エースだったあの先輩はかなりの実力者。勝負事での手抜きが一番嫌いだという小林さんが、手加減なんてしてくれるわけがない。
ほら、二人で止めてたはずなのに抜かれてる。
「あ、放送部対決になりそう」
「え…うっわ、嘘でしょ。ここでッスか?」
ボールを持っているそらっちの後ろに迫る小林さん。
一方のそらっちは、今動けば間違いなく他の3年生の餌食にもなりうる絶対絶命のピンチ。
残念ながら、あの距離からのシュートをそらっちが撃っているところを見たことが…
というか、あの距離は…
…ふわり。
えっ…?
それはまるで、俺のことをあざ笑うかのように。
ボールが、そらっちの手から離れていった。
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りた。(プロフ) - ひとみさん» 一気に…!?お疲れさまでした、ありがとうございます!クラスマッチ編あともう少しで完結します…!これからもどうぞよろしくお願いします!がんばります!!! (2016年7月13日 8時) (レス) id: 60b76a6687 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ - 一気に読ませて頂きました!とても面白かったです!占いツクールにもこんな作品があるんだなぁと思いました( ˙˘˙ )応援しています! (2016年7月12日 23時) (レス) id: 5dddd6f71b (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - だおさん» ありがとうございます!黄瀬君にはちょっと格好悪く片思いをして欲しいと思いこうなった次第です。嬉しいです、励みになります!こちらこそ、これからも見守っていただけると幸いです、どうぞよろしくお願いします! (2016年6月25日 10時) (レス) id: c66c29cc58 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - 初めて見るような内容で楽しく読ませて頂きました(*^^*)これからも頑張ってください! (2016年6月25日 6時) (レス) id: d490ebbd79 (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - 桃さん» ありがとうございます!あくまで塩対応な夢主ちゃんのデレを早く書きたいなぁとただいま頑張っております!どうぞ温かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願いします! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 066dfb27bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りた。 | 作成日時:2015年12月5日 23時