任務開始と信頼。 ページ32
其の後も芥川さんと幾つか暇潰しの為の話をした。
其の間、芥川さんは手持ち無沙汰なのか、常に私の頭を撫でていた。真顔で。
『あの・・・もうそろそろ撫でるの止めません?』
「貴様の今の姿は、僕の羅生門と見た目が似ている故な。親近感が湧くのだ」
何だ其れ・・・
困惑しつつ、私は大人しく撫でられている。普段は私より背の高い芥川さんが背伸びをして頭を撫でて来るのが、何となく可愛かったからかもしれない。
微妙な距離感を保ちつつ話していると、不意に芥川さんの携帯が唸った。
彼は私を撫でるのを止め、電話に出る。
其の目付きは、先程迄とは打って代わった様に剣呑だ。
「・・・はい、芥川です」
彼の表情は冷徹で、1ミリの綻びも無い。淡々と、上司との会話を続けている。
「ええ。了解です。・・・樋口と黒蜥蜴は現在非番で・・・住野は、現在此の場に居ます。はい・・・判りました」
芥川さんは其処迄云って、電話を切り、私の方をちらと見た。
「A。出撃は可能か?」
『・・・任務ですか?』
尋ねた私に、芥川さんは「然り」と頷く。
「下部組織の抗争の沈静化だ。既に黒服達は現場に向かっているらしいが、僕等の様な異能者がおらず、埒が開かない様だ」
芥川さんは、冷たい目をして云った。
「今日は樋口達は非番だが・・・僕と貴様だけで、助太刀に行くぞ。可能だな?」
『ええ』
其の口調は、私の実力を信頼して呉れている口調。
もう昔の、只の足手まといだった私とは違う。皆に守られている事しか出来なかった私はもういない。
『ポートマフィアに逆らった人間が如何なるのか、思い知らせて遣りましょう』
云った私に、芥川さんは少し顔をしかめて、けれど云った。
「・・・ああ」
何かが気に障った様と云うよりは、後悔の様な苦い表情だったのが気になった。
けれどそんな事はお構い無しに、私達の任務は幕を開ける。
____そして其れは、此の舞台の
27人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
世河経(プロフ) - 文ストもアクタージュも大好きです!クロスオーバーしたかったんですが、「どうする……?」と思考停止状態で、「ふおおおそう来たか!」って驚愕しました!!!こんなに面白いのに何で星が赤くない……?(煩くてすみません。あと連コメごめんなさい) (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
世河経(プロフ) - 天香さん多分文スト滅茶苦茶読み込んでいらっしゃいますよね?!要所要所に小説で見たような表現が……。すごいです!何課、本当に。、私が目指してるやつで。。。尊敬してます!! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - ちづさん» は、発狂ですか!?御馳走様です!(錯乱)アクタージュと文ストのクロスオーバー全然無いですよね・・・僕もまだまだ未熟なので、お見苦しい点は多々あると思いますが、貴重なクロスオーバー作家(オイ)として頑張ります(笑) コメントありがとうございます! (2020年4月17日 22時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ - アクタージュも文ストもめちゃくちゃ好きで好きで!!!!!!この作品を見つけた時発狂しちゃいました笑応援してます!! (2020年4月17日 10時) (レス) id: d5e82ff792 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 蟹江さん» え・・・(歓喜の余り思考停止)こんな所まで来て下さるとは・・・!貴方のお言葉で完結まで突っ走る気力が湧いて来ました!!アクタージュはガチで神作なので是非ご一読をお勧めします!!貴方の為に更新頑張ります!!! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2020年3月12日 13時