命のやり取りと銃弾。 ページ21
移動中に芥川さんから任務の詳細を聞き、私達は敵拠点を閉ざす鉄扉の前にやって来ていた。
「・・・何だよ、アンタ役者なのに緊張してんのかよ」
立原さんが、少し揶揄う様に私に目配せした。
『・・・役者でも、初めての命のやり取りで緊張しない程、図太い神経は持っていません』
其の上、今は昼。お蔭で、夜しか発動出来ない私の異能には頼れない。
数時間練習しただけの銃しか得物が無い状態なのだ。緊張しない訳が無い。
「違いねえな」
立原さんがくくっと笑った。そんな彼と私を、咎める様に芥川さんは見る。
「・・・貴様等、無駄口を叩くな。此れより敵拠点へ突入する」
「了解」
立原さんは肩を竦めて、二丁拳銃に手を掛け準備をする。樋口さんや銀さん、広津さんも、各々の武器を構えた。
私も、樋口さんから受け取ったマシンガンをホルダーから取り出した。
「行くぞ。・・・突入____!」
広津さんが先頭で鉄扉を吹き飛ばし、私達が続いて突入する。
「なっ・・・やべえ、ポートマフィアだ!」
「しかも“禍狗”が率いる部隊じゃねえか、糞・・・」
中に居る、組織の構成員と思しき男達がざわめいた。
けれど、其のざわめいた男達は、直ぐに黒獣に食い千切られた。芥川さんの異能だ。
「敵の数は兎に角多い!油断するな、全方位に気を払え!」
芥川さんの警告を受け、私は奥の方に居る敵に向けマシンガンを発射する。
訓練に使った型より少し重い銃を使っているからか、緊張のせいか、上手く体が動かない。
他の構成員と比べて明らかに動きがぎこちない私の周りに、段々敵が集中して来る。
銃弾が私の横を次々と擦っていく。死を身近に感じる恐怖に、段々と私の狙いは乱れて行く。
焦りを隠しきれずにいると、遂に銃弾が肩を貫通した。凄まじい激痛が体を襲う。
『・・・っ!!』
尚も踏ん張ろうとするが、云うことを聞かない膝が震えて、私は為す術なく崩れ落ちる。
私の方を、幾つもの銃口が向いている。・・・嗚呼、私、今日死ぬのかな。
意外にも冷静に、そんな事を考えた。1つの銃口から、私の額に向けて弾が飛び出すのが肉眼で見えた。
覚悟を決めて目を閉じた瞬間、強く突き飛ばされた。
驚いて目を開けると、目の前に黒い背中が現れ、そして、誰より力強い声が聞こえた。
「羅生門_____空間断絶!」
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世河経(プロフ) - 文ストもアクタージュも大好きです!クロスオーバーしたかったんですが、「どうする……?」と思考停止状態で、「ふおおおそう来たか!」って驚愕しました!!!こんなに面白いのに何で星が赤くない……?(煩くてすみません。あと連コメごめんなさい) (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
世河経(プロフ) - 天香さん多分文スト滅茶苦茶読み込んでいらっしゃいますよね?!要所要所に小説で見たような表現が……。すごいです!何課、本当に。、私が目指してるやつで。。。尊敬してます!! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - ちづさん» は、発狂ですか!?御馳走様です!(錯乱)アクタージュと文ストのクロスオーバー全然無いですよね・・・僕もまだまだ未熟なので、お見苦しい点は多々あると思いますが、貴重なクロスオーバー作家(オイ)として頑張ります(笑) コメントありがとうございます! (2020年4月17日 22時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ - アクタージュも文ストもめちゃくちゃ好きで好きで!!!!!!この作品を見つけた時発狂しちゃいました笑応援してます!! (2020年4月17日 10時) (レス) id: d5e82ff792 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 蟹江さん» え・・・(歓喜の余り思考停止)こんな所まで来て下さるとは・・・!貴方のお言葉で完結まで突っ走る気力が湧いて来ました!!アクタージュはガチで神作なので是非ご一読をお勧めします!!貴方の為に更新頑張ります!!! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2020年3月12日 13時