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「あのよ?」
「はい!」
「保健室、ついていってやるから行こうな?
俺は伊佐敷純っつうんだけど…………。
春はな、季節の変わり目で寒暖差激しいし、
体調崩しやすいし、疲れ溜まりやすいしな。
慣れない環境でストレス溜まる、っていうのも
あるよな。
休めば良くなるだろうからな、保健室行こう」
先輩は優しくそう言ってきた。
兄貴!みたいな、根は優しそうなタイプ。
なかなかに好ましい声だ。
そんな彼が、同情するような目を向けている。
「……………ほ」
「「「「「ほ?」」」」」
「保健室って! 初っ端からヤバい子扱いなの!?
別に平気なんですけど!?
やめて、そんな、捨てられた子犬を見るような
目で、私を見ないでください!?」
…………あ、この先輩は高校デビューだとか?
そうか、きっとちょっと怖そうな雰囲気で、
中学で女子にモテなかったんだ!
『俺は高校では女子にヤバモテになるんだ!
歩く度歓声があがって、きゃーきゃー言われる
男に!! 手始めにカッコいい事言おう!!
"クｯ……! 鎮まれ、鎮まるんだ!!
ｯ!? だ、ダメだ、今力を解放してしまえば、
周りが巻き込まれてしま……ああｯ、疼く……!』
そして、「これ、カッコいいのかな…………？」
って、なんだか不安になって、
やっぱやめようって思って、
黒歴史を封印した……………が、
あまりの美少女コンビを見て、発動してしまう
………………そういうことねっ!?
確かに不安になるのはわかるけど、
落ち込むことはないと思いますよ!
「声はよかったですし!」
「はぁ!?」
「まぁでも、そこは普通、
"お前の事は、何があっても俺が守り抜く"
とかじゃないですかねー」
「もうコイツ意味わかんねぇ………………」
伊佐敷先輩が、他の先輩方の中に戻っていく。
? 何だったんだろう?
伊佐敷先輩は、王道は目指してないのかな?
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作者名：なつみん | 作成日時：2017年8月9日 17時
