黄瀬クンは、ただの幼馴染です-3-【黒子のバスケ】 (ページ7)

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癖？私そんな癖あるっけ。
すると、涼太は、私を抱えてグルグルと回り出す。

｢えへへ！Aっちに、嫌われてなくって良かったっス！｣

『ちょ、降ろしなさいよ！このっ！クソ金髪デルモ！』

｢酷いっス！でも、Aっちと話出来て嬉しいっス｣

彼は、本当に嬉しいという表情でこちらを見つめてくる、周りにいる先輩達は置いてけぼりで固まってしまっている。こういう時助けを求めるのは紫原なんだけど……居ないから。
大我に助けを求めようしたその時、涼太は私を下ろして抱きしめたまま、片手でとんで来たボールを掴んでいた。そのボールを投げたのは勿論大我。

｢っと
った～……ちょ、何？｣

｢せっかくの再会中ワリーな！けどせっかく来てアイサツだけもねーだろ。ちょっと相手してくれよイケメンくん。｣

『ちょっ！大我！アンタ何言ってんの！？』

涼太は、こちらみて｢大我？｣と小さく零す。というか、今大我の名前を呼ぶのは不味かったかも。私を掴む手が少し強くなる。

｢よし、やろっか！いいもん見せてくれたお礼(・・・・・・・・)｣

『え、ちょっとアンタ一体何を』

｢Aっちは、俺の上着持ってて｣

渡された上着シワにならないように持ち、直ぐに黒子の横に行く。

『ちょ、ちょっと黒子クンこれまずいんじゃ…！』

｢ですね｣

涼太と大我が対面し、1on1が始まる。

大我は涼太の速度に追いついていたが、涼太がフェイントを仕掛け大我の後ろに回ってそのままダンク、と私が大我と1on1した時に見た大我(・・)が使っていたフェイントだ。……しかもそれより威力が遥かに上。

『黒子クンも感じた？』

｢はい、ここ数ヶ月会ってないだけなのに…彼は、予想を遥かに超える速さで"キセキの世代"の才能は進化しています｣

｢ん～これは…ちょっとな～、こんな拍子抜けじゃやっぱ…挨拶だけじゃ帰れないっスわ
やっぱ、黒子っちとAっち下さい
海常(ウチ)おいでよ、また一緒にバスケやろう
Aっちも、バスケやるならウチの方がいいっス｣

私と黒子はただ涼太を見つめ返すだけだった、というか、黒子に私は腕を捕まれ抑えられてる。黒子は多分私があの顔をぶん殴りたいのを察しているんだろう。

涼太の発言に私達を除く全員は｢なっ！？｣と声を上げる。さらに涼太は口を開く。

｢マジな話黒子っちのことは尊敬してるんスよ！こんな所じゃ宝の持ち腐れだって！
Aっだって、俺ずっと一緒にいて欲しいし！｣