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勝った。


『凄い』


嬉しさが溢れ出てくる。

ふと、涼太に視線を向けると、涙を流していた。慰めてやりたいのは山々だが、今は敵同士なんだから、抑えないと。


「黄瀬泣いてねぇ?」

「いや悔しいのは分かっけど…練習試合だろ、たかが……」


……は?
部外者が口出してんじゃねぇぞ。
練習試合とはいえ、中でやってる選手は全力でやっていた。お前らみたいに参加もしてないモブが口出しをするなよ。
イライラする、上にいる奴らをすぐにでも殴りに行きたい、と思っていたら、涼太が最初の方に殴られていた先輩に蹴りを入れられていた。


『ここなら、やっていける……』


互いが対面し、ありがとございましたと言って試合は終わった。
_________
海常の皆さんと別れてすぐの事


『……あ、相田先輩。私ちょっと水道に忘れ物しちゃったみたいで、取りに行ってきます!先帰ってて下さい!何か起きたら大我に連絡入れますので!』

「え!あ、うん、早くね!」


急いで水道の場所へと向かった。

するとそこには、涼太は勿論ここにいるはずの無い真クンが居た。


『し、し、し真クン!?』

「何故、お前が居るのだよ」

『いやそれはこっちのセリフなんだけど……』


真クンは私の髪に着いているリボンを見て、言葉を漏らした。そしてそのまま近付いてきて、リボンに触った。


『な、な、何』

「いつまでこのアイテムを付けているのだよ、今日のお前のラッキーアイテムは、……これなのだよ」


ぽん、と手の上に置かれたのはペンギンの人形。手にはバスケットボールが付けられている。相変わらずの通常運転でため息が出そうになる。
しかしこの人形……可愛い……ん?


『なんで乙女座のラッキーアイテムを真クンが持ってんの?』

「ムッ、た、たまたまカバンに入っていたのだよ」

『たまたまでこんな可愛いの持つの…?まぁいいや、涼太そこに私のタオルあるんだけど』


私は真クンを避け、涼太の方に行く。
涼太は、私のタオルを見つけたのか、手に取りこちらに差し出してきた。タオルを受け取ると、そのまま手を引かれて抱きしめられる。
抵抗しようとするが、力が強く引き剥がせないし、上手いように耳を隠され何か会話しているのは分かるが、何を言っているかは分からない。

離されたと思うと、涼太が謝ってくる。


『ほんと、何?』

「いや、久しぶりにAっち名前で呼ばれて嬉しかったんスよ!」

『単純……まぁいいや、私先輩達待たせてるから』

◇◆→←10



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彩弥 Ayami(プロフ) - 突然のコメントで申し訳ないんですがすごく面白いので更新楽しみにしてますね! (2021年7月16日 7時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみにしてます!! (2021年2月20日 3時) (レス) id: 4dd6643142 (このIDを非表示/違反報告)
みうmiu - 更新〜〜〜〜 (2020年11月16日 10時) (レス) id: c3eee88dc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杜若 | 作成日時:2020年10月4日 19時

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