11*ケンカしてるだけ、別れてない。 ページ11
｢…な、にそれ、なんで泣いてんの？｣
冷静を保ちたいけど、思った以上に胸糞悪い。思ったより低く冷たい声が放たれ、独占欲が強すぎる自分が嫌になる。黒いもやもやが壊れた汽車のように今にも口からとび出てしまいそうになるの。
｢わかんないならもう関わらなくていいのに｣
｢は？…なんなの｣
坂田からとんと離れて俺の方を向くA。Aのクラスメイトは静かに俺たちに視線を送る。ヒソヒソと話す声が聞こえて耳障りで仕方がない。出た方がいいんじゃない？とか言って教室からチロチロと出ていく女子。…Aの、気持ちが上手く読みとけない。
｢なんなのって、こっちのセリフなんだけど｣
｢いや、お前、…っなんで｣
教室の窓に吸い込まれるように寄っていく。まーしぃは静かに身を引いてくれた。彼女もゆっくりと近寄った。手をAに伸ばしかけてゆっくりと下ろす坂田。
｢彼女の気持ちが分かんない人なんて、彼氏失格も同然なんじゃないんですかね？｣
｢お前も彼氏の気持ち分かってねぇじゃん…｣
｢私もわかんないよ。だからいつもこんな喧嘩ばっかり！今回はもっと拗らせてるし、浦田がなんで怒ってるのか正直わかんないんだもん！｣
窓に手をついてそう言うAに俺はムカッとした。…ほんと、無自覚。彼氏の前でほかの男の名前をホイホイ出すあほ女がこの世界のどこにいるんだって話じゃん。
じわっと目に涙が溢れんばかりに溜めている、透き通った綺麗な瞳。あぁ、やっぱ俺、こいつのこと好きだなってやっぱ思ってしまう。ポリポリと頭の後ろを照れ隠しで掻く。
こいつに他のやつが触れてたって思うと
こいつが俺以外の男と喋ってたって思うと
こいつが、もう俺以外と喧嘩したとか聞いたら
｢ほんと、くそむかつく…｣
口元を腕で隠しながらAから視線を外した。クラスメイトに見られながら本音なんて語れるわけがない。Aは怒りを頭のてっぺんにもってきたかのように顔を赤くさせて怒った。窓の淵にダン！と手を置いて廊下に身を乗り出す。
｢ほんとに最低な人間｣
｢…は？なんで｣
｢この状況でくそむかつくとかよく言えたよね？！ほんっと有り得ない！｣
ぱちぱちと瞬きをした。あ、勘違いしてるこの人。ちょっと待てよと手を伸ばした時に睨んだまま思いっきり窓を閉めた。腕が挟まれて激痛が走り腕を慌てて引き抜き、手を振って痛みを紛らわせる。
｢…馬鹿はどっちなんだよ｣
12*さらに怒らせてしまいました→←10* 好きだからこそ許せない
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Leaf(プロフ) - あ、はぁ………尊い。 (2018年10月8日 16時) (
レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します！陰ながらずっと読んでおりました！凄く大好きな作品です^^*作者様のうらたさんのとても好きなので、また読める機会があれば嬉しいです。完結、おめでとうございます。 (2018年10月7日 11時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - maiさん» コメントありがとうございます。坂田さんの出番を少し増やしてみますね^^* (2018年9月28日 22時) (レス) id: b10484d3c8 (このIDを非表示/違反報告)
mai - ほんっとうにこの作品好きです！私は坂田家ですが、うらさんも好きなので楽しんで読んでます。坂田が出てくるとにやにやしてたり笑 (2018年9月24日 10時) (レス) id: 77b863b750 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 宮本 ?さん» コメントありがとうございます。世界中のこたぬき様へのプレゼントみたいな短編小説になればと思います〜！ (2018年9月15日 23時) (レス) id: b10484d3c8 (このIDを非表示/違反報告)
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