もやもやのワケ ページ34
「…」
「坂田、どうした?」
「4人揃ってから言いたいことあってなぁ」
「…何それ」
赤いチャリンコを手で押しながら俺といつも通りの通学路を通っていた。そして沈黙が流れていると、センラとまーしぃが揃った。早く内容が聞きたくて俺は急かすように坂田の目を見つめる。
2人も坂田の様子がおかしいのに気付き、センラがまず声をかけた。
「さかたん元気ナッシングトゥーマッ」
「みんなに質問したいねんけどさ」
被せるように真面目な様子で坂田が話し出すもんだからセンラは目を点にさせた。
「センラ可哀想」
「可哀想すぎる」
「___Aを彼女にする度胸ない?」
いつも通りの冗談を跳ね除け、坂田はそういった。
突然のAの事の質問に唖然とした。それと同時に坂田に対する敵対心が少し湧いてしまう。彼は自転車を握ったまま少し哀れんだ目で首をかしげた。それにピクっと片目を引き攣らせてセンラが声をかける。
「…それはぁ、俺らが度胸ないからAに告白出来へんやろから獲るよって言っとるんですか?」
「そうは言ってへんよ?…でも俺、もうずぅっとこうやってられへん。みんなこのままAの隣で気ィ張っとくん?」
「坂田、分かっとらんかもしれんけど、Aはそういうのに弱いんですよ?いざそうなった時にAが怖くなって逃げられたら終わりやろ?」
「ほら、そう言って逃げるやん。それ、言い訳」
坂田の言うことも正しいし、センラとまーしぃが言うことも正しいと思った。
坂田がいつかは彼女に手を出すのは分かっていた。センラは奥手だから出さないと思ったし、俺もまーしぃもAのそういう__押したら逃げられる__性格だから、いつまでもこの仲で通そうと思っている。
だけど、坂田の告白でアイツが『YES』と答えたら?
もう、俺ら4人を追っかけてくれなくなったら?
怖くて、手が震えた。いつから、こんな気持ちがアイツなんかに芽生えてしまったのだろうか。
このモヤモヤは____
「…坂田、その話は今日はもうやめろ。」
…なんなのだろうか。
*1部訂正しました*
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砂糖 - 好き過ぎです。。。みんな可愛い。。それぞれの特徴とか捉えててめっちゃいいです!!応援してます!! (2019年2月7日 19時) (レス) id: af14fa7348 (このIDを非表示/違反報告)
宵月 - 今読み始めたけど、好きです!コンタクト目の裏側に入るの痛そう…。 (2019年2月2日 1時) (レス) id: 2ee1ef2d9b (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - やばいめちゃ面白い展開になってますね!!更新が楽しみです!! (2019年1月26日 15時) (レス) id: 2e94dfd782 (このIDを非表示/違反報告)
みずたまみさき - 夢主ちゃんが私と同じ考えな気が…。 おもしろいです!頑張ってくださいー!! (2019年1月14日 23時) (レス) id: 88a569b2f9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - 本当に面白いです( ; ; )更新楽しみにしてます!! (2019年1月13日 20時) (レス) id: a69c266943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月6日 12時