＊ ページ22
｢…裏読みされたｯｯｯ！！！！｣
｢えーと、誰だっけ、金髪の彼がが考えてたっぽいよ｣
｢うーっ、センラくんーっ、そこも良いんだけど…！｣
よっ！と声を上げて水面に勢いよく手を突っ込んだ。スーパーボールの重みでポイの紙が破れる。その隣でスーパーボールすくいせずに見つめていた友人が｢…下手くそ｣とボソリと呟いた。
｢そんな勢いよく突っ込んだらダメに決まってる！！百円が勿体ねぇだろ？！｣
｢っえ、うらたくん…｣
突然肩からぐっと顔が伸びてきた。め、めっちゃ近くにうらたくんが…！｢俺もやる｣とか言ってセンラくんに百円を手渡した。そしてうらたくんは私の隣にどかっとしゃがみ込んだ。
｢おじさん、ポイちょーだい｣
センラくんが二百円を払い、おじさんからポイを2枚貰う。1枚うらたくんに渡すとセンラくんもしゃがみこみ、腕まくりをした。
破れたポイの穴を覗く。2人が綺麗に入った。ほんと絵になる…。
｢ポイはなるべく水面と垂直に入れるんやで…？｣
｢は？違ぇだろ、水にあんまり付けたら行けねぇからこのプラスチックの部分で…！｣
｢それは反則です｣
｢違ぇわ！！！！｣
うらたくんは1つ、センラくんが3つ程すくって二人ともポイが破れてしまった。黄色いスーパーボールを私の手のひらに渡し転がした。
｢はい、どうぞ〜｣
｢え、ありがとうございます！！！！！家宝に…！｣
スーパーボールをぎゅっと握りしめた瞬間だった、暗めの赤の浴衣姿の坂田くんとグレーの甚平姿で腕組みをする志麻くんだった。
｢あーっ！センラとうらさんおった！｣
｢何やってんの、…わ、お前浴衣なん？｣
志麻くんがはっと声を明るめに私の浴衣に目を付けた。坂田くんはふぃっと目を逸らしてしまう。…まぁ浴衣じゃないんだけど。
｢これは浴衣じゃなくて甚平なんですよ！！！｣
｢へー、くそどーでもいいわ｣
｢いつも通り冷たい反応！！！！｣
そして坂田くんがお腹空いたーっ！と声をあげた。私の隣にいつの間にか立っていた友人はウザそうな瞳でじっと立っていた。
｢…クソ帰りたい｣
｢うぇーっ？！やだよ！！｣
｢……人多いし…なんか買ってきてよ、唐揚げとかフランクフルトとか｣
｢ちょ、どこ行くの？！｣
｢私空気読み担当なんでー。｣
私はアップしている黒髪と青いワンピースに手を伸ばしたが、人に紛れて消えてしまった。
私と、4人。
どこをどう空気読んだのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂糖 - 好き過ぎです。。。みんな可愛い。。それぞれの特徴とか捉えててめっちゃいいです！！応援してます！！ (2019年2月7日 19時) (
レス) id: af14fa7348 (このIDを非表示/違反報告)
宵月 - 今読み始めたけど、好きです！コンタクト目の裏側に入るの痛そう…。 (2019年2月2日 1時) (レス) id: 2ee1ef2d9b (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - やばいめちゃ面白い展開になってますね！！更新が楽しみです！！ (2019年1月26日 15時) (レス) id: 2e94dfd782 (このIDを非表示/違反報告)
みずたまみさき - 夢主ちゃんが私と同じ考えな気が…。 おもしろいです！頑張ってくださいー！！ (2019年1月14日 23時) (レス) id: 88a569b2f9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - 本当に面白いです（ ; ; ）更新楽しみにしてます！！ (2019年1月13日 20時) (レス) id: a69c266943 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょうゆのすけ | 作成日時：2019年1月6日 12時
