純粋に恋して何が悪い！【浦島坂田船】

プレゼント ページ15

ジャラ、と音がする。太陽に掲げる4つのキーホルダー。

緑のラメ入りの透けたクローバー型のキーホルダーと、紫のラメ入りの透けたスペード型のキーホルダー、赤のラメ入りの透けたハート型のキーホルダー、そして黄色のラメ入りの透けたダイヤ型のキーホルダー。


｢…んっふふ｣


ニヤケが止まらないのだ。


＊＊＊


｢みなさん！！！！！！！｣

｢あー今日もうるせぇ｣

｢今日はプレゼントがあるんです！！！｣


私はぎゅっと握りしめたままのキーホルダーを4人に見せた。が、キョトンとした顔のままの4人。喜ぶはずもないか…少ししょんぼりするのもも、全く私には効果はない。


｢あげます〜！｣


私はひょいひょいと隙のある場所に渡すなり付けるなりして行く。男よりも素早く動ける私すごい…！


｢ちょおい！何勝手に人のカバンに…！｣

｢胸ポケットに入れんなぁ！！｣

｢強制的に顔に押し付けんのやめへん？｣

｢そっと俺の机に置くなやあああ！！｣


とはいえこれは世界に一つしかないんです！私が百均で集めたUVレジンとか諸々をみなさんらしく作らせていただきました。愛の結晶です。


｢私が作ったんですよ！……だ、大事にしてくれたら、幸いです…！｣


キューッと縮こまってそう言うとすぅっと吸う息の音が聞こえた。え、なに？と思って目を開けるとほか3人は天井向いたり手で目を覆ったりして黙っていたが、志麻くんだけは私に大声で叫んだのだ。


｢今すぐ捨ててやる！！！｣

｢何度でも作りますね！！！！｣


今すぐとか言いながら全然胸ポケットから出さないもんだから私はニコニコと返事をした。そしたらぷいっとそっぽを向くもんだから、ほんとに私の推しは尊い。(推し言うなっていう友人の声が脳内再生される)


｢なぜにそんなこと言われて元気なんや…｣

｢逆に尊敬する…｣



坂田くんとセンラくんがすごい呆れた顔で私を見つめてくるが、そんなのかまわない。

これから私を追いかける羽目になってもらうんだから！！！

私は4人に愛を届けるんだから！！！！



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


｢………ふっ、何このヘンテコなキーホルダー｣


茶髪の髪を風に揺らしながら緑のキーホルダーを太陽の光に透かして見つめていた。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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