24話 ページ26
Aside
一郎「A、お前顔色が…」
ドンッ
『やめてっ！』
思い切り突き飛ばすと、一兄は壁に当たって尻もちを着いた。
『あ…ぃやっ、ごめんなさ…っ』
触らないで。
お願いだから私に構わないで。
『一人にして…』
嘘。一人は嫌だ。一人は寂しいからそばに居て。
『嫌い、私に近づかないで…』
嘘。お願い、いつもみたいに頭を撫でて。
『あんたらが家族だと…私は不幸になる…！』
嘘。いつも楽しいよ。一兄達がいてくれるから私は一人で頑張れたんだから…
『あんたなんて…お前らなんか…！』
やだ、これ以上言いたくない。
これ以上言ってしまえば私はきっと壊れてしまう…！
『お前、なんて…っ』
･
一郎「A……」
･
『…離して…っ！』
きつく抱きしめられた腕が痛い。
全身から伝わる一兄の体温が凄く温かくて、この温もりを自分から突き放すことなんて出来なかった。
子供の頃、小さい事で二郎と喧嘩して泣いた私を、一兄はいつもこうしてあやしてくれていた…
懐かしくて、大好きな感覚に身を委ねて、私は目を閉じた。
一郎「…落ち着いたか？」
一郎「ごめんなA。俺、お前の事ちゃんと見てやれてなかった。……そんな辛そうな顔で、あんな事言わせてごめん……」
たくさんの雑音がある頭の中に、一兄の言葉だけ、鮮明に聞こえてくる。
『う…っ、ごめっ、ごめ"んな"さぁい…！一兄、ごめんっ、ごめんねぇっ！！』
こんなに優しい人に私はどれだけ酷いことを言ったんだろう。
溢れ出る涙を止められなくて、一兄にしがみついて私はずっと泣いていた。
そんな私の背中を一兄はずっと摩ってくれていた。
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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (
レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ﾉほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです！！！ (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ！ずっと待ってました！！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;｀) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琳檎 | 作成日時：2020年4月13日 1時
