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25話 ページ27

一郎side



何年ぶりかにみたAの涙。


今は泣き疲れたのか俺の服を掴んだまま寝てしまった。


妹の小さな体を抱き上げて家に入ると中から二郎と三郎が出てきた。



三郎「一兄…すごく揉めてたみたいですが…A姉は…」


二郎「兄ちゃん俺荷物持つよ!」


俺が持っていた袋を二郎が受け取って、二人とも心配そうにAを覗き込んだ。


揉めてんの知ってて待っててくれたのか…



一郎「心配すんな、寝てるだけだから。それと悪いんだが夜飯の準備二人に頼んでもいいか?」


三郎「任せて下さい!」


二郎「あぁ!いっつも兄ちゃんに任せっきりだしたまには俺らがするぜ!」



一郎「ありがとな、じゃあ頼むわ!」


リビングへ行く二人とは別に、俺はAの部屋に向かう。



一郎「降ろすぞ、」


ずっと俺の服を掴んでいた手を離し、そっとベッドに寝かせる。


『んん…』


泣いたせいか目元が少し腫れていた。


何だかこいつの本音が見えた気がしたが根本的に何も解決出来ていないことにため息が出る。



一郎「この服…着替えさせた方がいいのか…?」


いや、流石に妹でもそれはまずいか…。


とりあえず上に着ていたカーディガンだけでもハンガーにかけておこうと脱がせると、左腕に何かが見えた。



一郎「何だよ…これ…。」


よく見ればそれは何かで切ったような跡があり、自分の妹がこういう事をしていた事に驚きが隠せなかった。



一郎「悪い、ちょっと見せてもらうぞ…」


起きた時じゃ絶対に見せないと思い、ほんの少しだけ服を捲った。


細い体、白い肌には似つかないような、真っ青な痣が見えた。



一郎「んだよ…これ…」


治りかけの痣を見て、きっと何日も前についたものなのに、どうして俺は今まで気づかなかったんだ…


左馬刻は…これを知ってたのか…?



つーかなんだそれ…知ってたって事はこいつ体を見せたのか?


よく左馬刻の家に泊まりに行ってたし…もしかしたら不慮の事故で下着姿を見せたりしたのか…?


それとも二人はそうゆう関係だったりして…



一郎「(〜〜〜!!!お兄ちゃんは許しません!!)」

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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ノほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです!!! (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ!ずっと待ってました!! (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;`) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琳檎 | 作成日時:2020年4月13日 1時

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