32話 ページ34
Aside
『…夢野先生の新刊楽しみだな〜、次はどんな話なんだろ。』
最近また新しい本を出したと耳にして、それを買いに行こうと書店の近くを通った時、私は見てしまった。
「はぁ…今日はこれが終わったらそのまま帰っていいって言ってたな…連勤明けでやっと帰れるって言うのに…どうせまたすぐに呼び出されるんだろ…あぁ、でもこうなるのもどこかでミスをしている俺のせいか…何で俺はいつもそうなんだ…俺は俺は俺は俺は」
不安になるくらいふらふらの状態で歩いて、止まったかと思えば電柱に向かってボソボソ呟いてる。
あ、倒れた。
また歩き出したと思えば次は公園のベンチに座った。
酔っ払いかと思ったけど意識はしっかりありそうだし、連勤明けっていう言葉と顔色を見る限り寝不足だろう。
このまま放っておけばきっと休まるものも休まらないと察し、近くの自販機で水を買って話しかける事にした。
『あの、これどうぞ。それに寝るならここじゃなくて家の方がいいです。疲れてるなら尚更早く帰るべきですよ。』
人差し指で突っつくとその人は目を開け、驚いた様子で私を見た。
てかクマ酷いな…この人本当に大丈夫…?
「女神に見えます…」
『…はい?』
「あぁいえ!私こういうものでして!それに見た感じ学生さんですよね…奢ってもらうなんて悪いので大丈夫です…」
キョドりだすと次は名刺を差し出された。
かんのんざか…どっぽ、さん…かな。
『えっ…と、私は山田Aです。流石にここまで死にかけてる人見捨てられないしあげますよ。』
この人に買ったから、私が飲みたかった訳でもないので観音坂さんにペットボトルを押し付ける。
独歩「そんな…!きっとこれはあれだ…俺は学生に水をたかるようなダメなやつにしたいんだ。あぁ、そうだよ。俺なんてどうせ…」
ダメだ、この人ダメな人だ。一緒にいたら絶対ネガティブが移るやつだ。
『あの、観音坂さん、せっかく早く帰れたんですからもっとポジティブに考えましょう。呼び出されてもそれは貴方を頼りにしてるんです!ほら、分かったらここじゃなくおうち帰って休めるだけ体休める!いいですね!?』
独歩「は、はいぃぃ!」
お礼をさせてくれなんて言い出す観音坂さんに、さっさと帰れ!と怒鳴ると彼は光の速さで帰っていった。
『左馬刻と観音坂さんみたいな大人にはならないようにしよう。』
私はこの日、そう胸に誓った。
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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ノほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです!!! (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ!ずっと待ってました!! (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;`) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳檎 | 作成日時:2020年4月13日 1時