29話 ページ31
Aside
二郎「んでてめぇは俺が近くにいんのに頼んねぇんだよ！他人だったらまだしも…俺はお前の兄貴だろ！」
『……』
二郎「どうにか出来るからって怪我でもしたらどうすんだ！ただでさえヒョロい癖に！」
二郎「それかそんなに俺が頼りねぇか？お前にとって家族ってなんだよ。助け合うもんじゃねぇのか？それとも嫌いな俺には頼りたくねぇってか？」
『別に…そういう訳じゃ…』
二郎「なら助けてって言えよアホ！俺がお前を見捨てる訳ねぇだろ！」
馬鹿で単純なこいつの言葉だから、素直に私の中に入ってきた。
『何なのっ、だからって…っ、そんなに怒んなくても分かった…っ』
こんな風に叱られるのは子供の時以来で、二郎が怖いのか、求めていた言葉をくれたからか、なんでかは分からないけど私の目からは涙が零れた。
二郎「あぁ！？何で泣くんだよ！あぁぁクソめんどくせぇ！」
さっさと泣きやめ！何て服の袖で目元を擦られる。
『赤くなるじゃん、雑かよっ！』
女心を全く理解してない二郎を軽く突き飛ばす。
二郎「うぉっ、何すんだてめっ！」
こんなだからいつまでも童貞なんだ！
二郎「…はぁ…ほら、食いたかったんだろ。さっさと帰るぞ。」
クレープを私に渡してずかずかと歩き始めた二郎の後一歩ろを歩く。
何よこいつ…いつも私の事構うだけ面倒臭いとか言う癖に…
俺がお前を見捨てるわけねぇだろ。
その言葉が胸に残った。
単純に、私は嬉しかったんだ。
良く考えればすぐ分かる。
この人達が私を見捨てるはずないんだ。
私じゃなくても、困っている人がいたらきっと助けてあげる。
とても優しい人達だって事を、家族である私はよく知ってるはずだった。
『…(あれ…？)』
ねぇ…もしかしたら…この人達に泥を塗っていたのは私では無いだろうか。
全部決めつけて、一人が最善だと思い込んで…。
この人達じゃ助けられない。どうせ見放される。迷惑をかけるって…
そう思っている事が間違ってたんじゃないの？
私が家族の横から一歩下がる事で、私自身が、家族の事を馬鹿にしていたんじゃないの？
私はその日の帰り道、二郎の隣を歩くために一歩前へと踏み出した。
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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (
レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ﾉほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです！！！ (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ！ずっと待ってました！！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;｀) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琳檎 | 作成日時：2020年4月13日 1時
