吸血サレタイ【霧崎第一】

◆吸血05◆ ページ5

「…別に私は構わないけど、あなたはそれでいいの？」









人を殺すなんて、できるのだろうか









「あぁ、しかも綺麗に殺せる自信がある









それと苦しむなんてこともねー」









そんなことができるの？この人に









「その殺し方って、何」









花宮真は私とぐっと顔を近づけてニヤリと笑った









「血を吸う」









血を……吸う？









「な、ばかじゃないの？血を吸うなんて、ヴァンパイアじゃないんだから…」









まって、彼が笑った時に見えた









鋭い2本の歯









「まさか…あなた本当に…」









「あぁ、俺は









お前が言うヴァンパイア」









本当にそんなの、存在するの？









「いや…そんなはずない









そんなのこの世に存在しない」









だって、それは童話の中の話でしょう？









「はっ…信じらんねーなら今試しに吸ってやるよ」









腰に手を回され首筋に顔を埋められる









「は…そんな、絶対ない…ヴァンパイアなんて…」









いない









＿ブチッ









そう言おうとした直後、首筋から鋭い痛み









「んっ…ふっ…んん」









＿ちゅ…くちゅっ…ちゅぅ…









リップ音と共に、首筋から血が吸い取られるような感覚









「ぅ……いた…い…っ」









肌を突き破られる事がこんなにも痛いなんて









しかもそこからどんどん吸われて行く血









「っはぁ……お前の血…うま」









口の横に少し血がついていて









少し彼に恐怖を感じた









本当にこの人はヴァンパイアなんだと









身を持って思い知った

◆吸血06◆→←◆吸血04◆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す