深夜の自主練 ページ9
倫Side
深夜の練習室。まだ明かりがついてる。
たぶんまた・・・・
ドカ！
倫 (・・・だよねぇ)
予想通り、
沢村君が一人で投げている光景を見て、
笑ってしまった。
ドカ！
倫 「ねぇ」
ドコ！
倫 「ねぇってば！」
沢 「・・・・！」
倫 「もー。いったいいつまで投げるつもり？」
沢 「・・・倫先輩。」
倫 「はは、初めて会ったときみたいだね。
肩、壊すよ？？ちょっと休憩しよ」
この子は本当に変わらない
でも周りにいる人はこの子のおかげで前向きになる
あたしも、クリスさんも、他のみんなも
だから、沢村君が落ち込んでるときは、
あたしだって助けてあげたいのよ
二人で並んで腰掛ける
沢 「難しく考えすぎなんですよね。俺。
御幸先輩にもたいしてコントロール
よくないくせにって言われて。」
倫 「沢村君は、何のために投げてるの？」
沢 「え？」
倫 「一也君や、監督に認められるため？」
沢 「・・・・・・・。」
倫 「例えばあたしは、勝つために、
あたしの為に投げてるよ。
インコースなんて、
投げたくなければ投げなくていいじゃない。
一也君の要望に応えられなくてもさ。
それなら逆に、アウトロー。
このボールを磨いてみたらどう？」
沢 「アウトロー・・・ですか？」
倫 「打者の胸元にえぐり込む、
インハイに対し、
打者の目元から離れるように
逃げていくアウトロー。
攻め一辺倒の沢村君に、
一番手に入れてもらいたかったボールよ。
(そしていつか、イップスを克服できたとき、
更なる高みへ。)」
・・・
沢村Side
次の日。金丸と姉御は練習に付き合ってくれていた
打席に立つ金丸が、俺に向かって叫ぶ
金 「ぶつけるつもりで来いおらーーーー！」
倫 「ありがとねっ金丸君」
沢 「お！！今のいーんじゃね！？」
倫 「ナイスボー！その調子！」
御幸Side
沢村の様子を、監督と外から見守る
片 「・・・・・・あとは、
本人がどう乗り越えられるかだな。」
御幸 「はい」
御 (本当に、俺はいつも倫に
頼ってばっかだな)
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作者名：Rin
| 作成日時：2016年10月1日 11時
