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イップス ページ8

倫Side


薬師高校との練習試合の後


沢村君、一也君、そしてあたしは、


監督室に呼ばれていた


片 「自覚は?打者のインコースに
投げきれてないという自覚はあるか?」


沢 「・・・あります。」


御 「稲実との決勝でのデットボール、
あれが引き金になっているとしたら・・・・。」


倫 (イップス。)


片 「沢村、お前は明日から別メニュー。
ボールには触るな。」


沢 「(え・・・大会近いのに自分だけ・・・・。)
はい。失礼します。」


倫 「(沢村君・・・)あの、監督。」


片 「なんだ。高瀬。」


倫 「沢村君の心が前を向いてきたら、
その後はあたしに任せてくれませんか?」


片 「どうゆうことだ?」


倫 「実は、前から沢村君に
覚えてもらいたかったボールがあるんです。
それを教えたいんです。」


片 「どんなボールだ」


倫 「アウトロー。」


御 「アウトロー?」


倫 「今まで攻め一辺倒だった彼が、
もう一段階上に行ける方法。
ずっと考えていたんだよね。
そして、イップスを克服したとき、
さらにいい投手になってほしいから。」


御 「倫。」


倫 「一也君は他のメンバーをまとめたり、
たくさん仕事があるでしょ。
せめてピッチャーはあたしに任せて!
少しはイップスの気持ちもわかるからさ!
そんなに深刻に考えなくても、
沢村君なら大丈夫。
あたしに高校野球をやらせた子だもん。」


御 「・・・・。」


片 「わかった。この件は高瀬に任せよう。」


倫 「ありがとうございます。
じゃ、失礼しまーす。」


パタン


片 「高瀬は頼りになるな。御幸。」


御 「・・・はい。」


片 「キャプテンは、
すべてを背負う必要はない。
任せられることは任せていけ。
高瀬は、本来なら副キャプテンにでも
したいくらいの人材だからな。」


御 「そうですね。」








暫く走り込みをしていた沢村君だったが、


やっと監督の許可が出て、ブルペンに入る。


でも、


沢村君は、久しぶりのブルペンで、
インコースに投げることが出来なかった。


御 「沢村、お前あんま難しく考えんな。
もともとコントロールよくねぇんだし、
バカなんだから」


倫 (み、身も蓋もない・・・・)





じゃ、そろそろ沢村君と練習しますかね

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作者名:Rin | 作成日時:2016年10月1日 11時

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