【◇】高校野球は嫌い・・・かなぁ【御幸一也】 (ページ40)

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センバツ前ページ40

倫「一也君。」

御「ん？」

倫「センバツ、終わったらさ。
・・・ちょっと話したいことあるんだけど、
時間作ってくれる？」

御「・・・・あぁ。もちろん。」

倫「ありがと。センバツ、頑張ってね。」

センバツベスト8後

御「なんだ？話って」

倫「あたし、アメリカに行こうと思うの。」

御「え・・・？」

倫「秋大の前に、
うちの実業団とアメリカ西海岸選抜の
練習試合があったでしょ。
その時の対戦相手の中に、
知った選手がいてさ・・・。
あたしがシニアの頃、
日本代表だった時に対戦した選手なんだけど。」

御「シニアのころ？」

倫「アメリカなら、
高校野球に女子が出場できるから来いって、
監督に言ってくれたんだって。」

御「・・・・・・。」

倫「秋の前にもオファーもらってて、
でもその時は、
青道のみんなと甲子園目指すって、
断ったんだ。・・・・でも。」

御「でも？」

倫「甲子園出場を決めて、
センバツで戦ってる皆をみて、
・・・・・私も皆と戦いたいって思ったの。」

御「だからってアメリカ行って・・・」

倫「もちろん、この時期に行って、
西海岸選抜に選ばれて、
日本に来ることは、難しいと思う。
・・・・でもね、可能性があるなら、、、
挑戦したいの。」

御「倫。」

倫「・・・。
あたし、みんなと会えて、
一也君と会えて、よかった。
一緒にいて、すごく楽しかった。
一也君は、あたしのこと
助けてくれてるだけだと思うけど、
それでも、うれしかったよ。」

御「！！」

倫「でも、さよなら。
あたしは、野球を諦められない。
一也君たちと一緒にいるよりも、
一也君たちと戦いたい。
ほんの少しでも可能性があるなら、
その可能性にかけてみたい。」

御 (野球の方が好きだから。か。)

倫「あたし、西海岸代表に選ばれるように頑張る。
だから、一也くんも甲子園で優勝して、
日本代表になって、」

御 (行くな、なんて聞かないんだろうな)「・・・・・あぁ。約束する」

倫「・・・・・。出発は二週間後。
皆には、東京帰ってから言うよ。」

そして、倫はアメリカに旅立った。