朝起きたらそこは地獄でした。(鬼灯の冷徹)2

ごじゅうななわですよー。 ページ27

私には、個性がない。

美人という訳でもなく、姉のように変態というわけでもない。

至って普通の

「つまらないよね、Aって」

つまらない子なのだ。

昔、友人に言われた言葉が、耳から離れてくれない。





「ああぁぁぁ……よく寝た…おはよう、A」

今日の晩御飯はハンバーグにしようと、玉ねぎを炒めていると、姉が二階から降りてきた。

ああ、安心する。

姉の顔を見るだけで、心がフッと軽くなる。友人の言葉も忘れられる。

……ダメだなぁ

これは完全な

「あ、良い匂い!

今日の晩御飯何!?」

《依存》ってヤツかなぁ……

「今日はね、ハンバーグだよ」

何事も無かったかのように、笑顔で姉に言う自分が



堪らなく、気持ちが悪い。


「…A…何か、あった…?」
「ううん、何も無いよ?」


気持ちが


悪い



「……なら、良いけど…」








数分後、玄関の破壊されたであろうドアを見た姉から「何じゃこりゃー!?」という叫び声が聞こえてきた。

今度、鬼灯さんに直してもらおうと思う。






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「フラれました」


ポカポカと暖かい光が窓から入ってきて、眠くなってくるお昼時

目の前の男は、突然ドアをぶち壊して入ってきて、突然そんなことを言ってきた。

何だよお前、知らないよ

そう言えてしまえば良かったのだが、如何せん心当たりがあったのも確か。


仕方がないから



「で?何があった?」

大っ嫌いなコイツの話を、聞いてやることにした。

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