朝起きたらそこは地獄でした。(鬼灯の冷徹)2

よんじゅうはちわですー。 ページ18

(真理)「ねえねぇー、鬼灯さんー」



天井からぶら下がりながら、鬼灯さんに話し掛ける。



《ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ》




(鬼灯)「……何ですか真理さん。」




ｸﾞﾂｸﾞﾂと煮える鍋をかき混ぜながら、そう返事をする鬼灯さん。



今日、私は仕事がない。



てか、Aと違って私は家事全般が破壊的にダメなのだ。




料理長もそれをわかったらしく、今日は仕事を休まされた。




まあ、私は力仕事専門だから、皿洗いは向いていないのだ。




てか、何気この鍋の中に亡者入っているんですけど……




くわばらくわばら。





(真理)「何で、






Aの事、好きになったの？」




天井からぶら下がりながら、唐突に聞いてみる。





あ、天井からぶら下がるのって案外楽しいかも……




うへへーい




(鬼灯)「…そう、ですね…」




顎に手を当て、考える鬼灯さん。





………あーあ、





(真理)「…その場のノリと、勢いって言うこと？」




(鬼灯)「違います。」



即答で、そう否定された。




まあ、そこは合格かな。




(鬼灯)「……優しさに




彼女の優しさに惹かれました。」





今度は私の目を見て、しっかりと言い切った。




……優しさ、ねえ……





なら



ｸﾞｲｯと、鬼灯さんの胸ぐらを掴み、





(真理)「あの子の事を好きになってくれたのは嬉しい。




だけど、ダメだね。





あんたはあの子の事を知らなさすぎる。






もっとあの子の事を知って、あの子の全てをわかって






それでも尚、あの子の事を好きだと言うのなら





私は貴方を認める。




今の貴方は、弱った所を優しくされて、あの子の事を好きと勘違いしているだけ。




Aは、本当は凄く脆いから





私は、あの子を支えられるような奴じゃないと認めない。」




そう言いきった。





目を見開き、唇を噛む鬼灯さん。





だけど





(真理)「私にとって、Aは大事な





たった一人の可愛い可愛い妹なの。





だからこそ、あの子の幸せの為なら、私は何だってするから。






それじゃあねー！！」



最後は、逃げるように出て来た。





………うーん、






やっぱりシリアスは向かない。






てか、無理だー！！所詮は無理ゲー！！




腐女子というものに私がなったのは、3年前。





きっかけは、両親だった。

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