30話 私には無理です ページ31
桃井に案内され、まずは外で行っている運動部を順に見て回ることにした。そこまでは良かったのだが。
「……え、どの部活に入るか探してんの？だったら野球部来てくれよ！今丁度マネージャーの人数足りてなくてさー」
「テニス部どう？やっぱり女子のマネージャーの方が、こっちもやる気出るんだよなあ」
「サッカー部に来てみないか？大丈夫、未経験でも一から教えてあげるから」
「それよりやっぱ陸上でしょ！マネージャーでも選手でも全然大歓迎！」
「水泳部に来ないか？いつでも部員募集中だぞ」
見学途中、異常に勧誘されるのは何故だろうか。しかもやたらとマネージャーを勧めてくる人が多い。これにはさすがの桃井も驚きを隠せない様子だった。
「……Aちゃん、凄い人気だね。まあ、でもAちゃんみたいな可愛い子がマネージャーだと誰でも嬉しいもんね」
勿論、誘われないより誘われた方が全然いいのだけれど、私にとってはありがた迷惑でしかなかった。
その後も、桃井の後ろにくっつきながら何とか外の部活を見終えることが出来た。やはりどの部活動も熱量は十分で、その気迫につい押されてしまいそうになった。
何となく、スポーツの類いは性に合わないような気がした。
「じゃあ、文化部も見に行こうか」
「うん」
文化部は、全体的に落ち着いている印象を持たされた。運動部と同様に何度か勧誘されたが、「ぜひ、ぜひうちの部に！」とまではいかなかった。
特別私が面白いと感じたのは、囲碁・将棋部だった。未経験の私にもわかりやすく説明してくれ、最終的に少し体験もさせて貰った。
個人的に一番楽しめたのだが、顔は少しひきつっていたかもしれない。
「あんまり話したりしないし、一人でも十分やれるから案外私に向いているかも……」
「え、Aちゃんあそこに入るの？」
移動中、廊下で呟いた私の言葉に何か引っ掛かるものがあったのか、桃井が焦ったように言った。
「まだ決めていないけど……何で？」
「い、いや、まだ全部回ってないから、見終わったらその後ゆっくり考えればいいのかなあって」
「そうするつもりだけど……」
「な、なら良いの！」
私の返答を聞き、少し安堵したように胸を撫で下ろした。この時、何故桃井がここまで慌てる必要があったのか。私にはわからないままだった。
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翡翠(プロフ) - モトコさん» ありがとうございます。がんばって更新します！ (2018年11月3日 23時) (
レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
モトコ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください！ (2018年11月3日 23時) (レス) id: e294c9830f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» ありがとうございます！これからももっと面白くしていきたいと思います！頑張りますね！ (2018年8月14日 23時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - ものっそい好みの作品です！！夢主ちゃん世間知らずで可愛いし間接キス知らないとかもう悶えちゃいます！！これからも更新頑張ってください！！ (2018年8月14日 20時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます(*≧∀≦*)!!がんばりますね！ (2018年8月1日 9時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2018年7月12日 19時
