21話 溢れる確定ですね ページ22
その後は、偶々都合良く先生が来てくれたお陰で、一端その場は収まったように見えた。しかし、またいつ質問されても可笑しくはない状況だった。
そこで私は悩みに悩んだ末、登下校以外はなるべく赤司と離れて行動しようと考えた。つまりは単独行動だ。……しかし。
「俺は別に構わないが、お前の方は大丈夫なのか？」
「……」
……それを言っちゃお仕舞いだ。
生憎現在、まともに話せる人物を挙げるとすれば赤司くらいだった。他、彼を除くと……桐島先生のみ。それも、あくまで教師と生徒と言う立場の関係上、ずっと一緒に行動する訳にはいかない。
巡り巡って導き出された結論。
「……無理」
「だろうな」
私はその場で崩れ落ちた。
＊
一時限目は、体育の授業だった。……否、私が最も苦手とする科目の一つである。
予め言っておくと、私は大の運動音痴だ。今まで引きこもり過ぎたせいか、全くと言って良いくらい体が動かせない。元々、運動は小さい頃から得意としていなかった。
今日の授業は、バレーボールだった。球技は周りとの差が明らかになる種目が多く、出来ることなら休みたいと願っているのが本心だった。
男女混合じゃない点、まだ優しい方だろうか。しかし、生憎と先生は優しくなかった。
「はーい。じゃあ、一クラス五人から六人の班を三つずつ作って下さいね」
「……」
……やっぱり無理かもしれない。
周りが次々と集まっていく中で、私は一人取り残された状態になった。頼れる人物も誰と言っておらず、端から見れば孤立しているように捉えられる可能性もある状況だった。
「あら？えっと、犀川さんよね。班は決まったかしら」
先生が、気を利かせてか私に声を掛けてきた。突然だったものだから、思わず肩を跳ね上がらせる。
「！……え、と」
急で言葉が思うように出て来ない。口をパクパクと動かし、身振りでのみで何とか伝えようと試みてみる。
「？」
先生は童顔の顔をこてんと傾げて、不思議そうに私を見つめてくる。
……コミュニケーションが苦手な私をこれ以上惨めな気持ちにさせないで下さい。
私の豆腐並みのメンタルは、早々に砕け散る寸前だった。
───と、その時。
「ねえ、私と一緒にやらない？」
「っ？」
声のした方向、背後を恐る恐る振り返る。
「……だ、誰？」
そこには、ピンク色の珍しい髪を後ろで束ねた少女がいた。
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翡翠(プロフ) - モトコさん» ありがとうございます。がんばって更新します！ (2018年11月3日 23時) (
レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
モトコ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください！ (2018年11月3日 23時) (レス) id: e294c9830f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» ありがとうございます！これからももっと面白くしていきたいと思います！頑張りますね！ (2018年8月14日 23時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - ものっそい好みの作品です！！夢主ちゃん世間知らずで可愛いし間接キス知らないとかもう悶えちゃいます！！これからも更新頑張ってください！！ (2018年8月14日 20時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます(*≧∀≦*)!!がんばりますね！ (2018年8月1日 9時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2018年7月12日 19時
