【東京リベンジャーズ】俺の心を離さないあの子が可愛すぎる

14 ページ14

｢ヒナぁ…｣

｢もー、何回目？｣

｢だって…｣





千冬くんへの気持ちが分からない。

一緒にいて楽しい、心臓が跳ねてうるさい。






嘘。





分からないなんて、嘘。







｢いいなぁ、ヒナは。花垣氏と両想いだもんね｣

｢Aだって、両想いかもしれないよ？｣

｢えー、誰とー？｣








ヒナにも、誰にもこの思いについては話していないのに。

ヒナは、あっさり、それでいて涼しい顔で




｢千冬くん｣




と、答えたのだった。

名前を聞いただけなのに、心臓が大きく反応して苦しい。

でも、心地がいい苦しみだ。





｢本人が自覚してないから言わなかったけど、もう自覚してるみたいだし、いっかなーって！｣

｢ヒナってエスパーなの？女神なの？どっちなの？｣






昨日は思わず夜更かしをして、某先生を頼ってしまった。

検索すると何でも教えてくれる、万能な先生を。


だって、だって


自分では理解できない感情だった。






千冬くんの事で頭がいっぱいになるし

会えるのが楽しみで

沢山話したくて

他に目線が行くとモヤモヤして

楽しそうな彼を見れば楽しくて

怪我をする彼を見れば悲しかった。




千冬くんが来ない日を考えるだけで、つまらなかった。




だから、検索するしか無かった。

自分の辞書には無い言葉と意味を知るためには、これしか無かった。





＿＿＿＿恋患い＿＿＿＿




恋？

恋って、アレですか？花垣氏と、ヒナ、みたいな？？？




いやいやいやいや、そんなこと、そんなこと







｢Aが千冬くんと話してる時の顔、見せてあげたいくらい可愛いよ！｣

｢え？｣

｢恋する女の子って感じ！｣







あるのかなって。


でも、この感情に名前をつけるならば、恋だ。


それ以外はありえない。


友達の好きだと、足りないのだから。

友達の好きだと、私は不満なのだから。





｢で、でも、千冬くんの周りにはきっと可愛い子が沢山いるから…私なんか…｣

｢私なんかって言わない！！！｣

｢だってー！！自信なんか少しもないもん！ミジンコ程度の自身もないもん！！！｣






君の前では、明るい子なのに。


こんなにネガティブで後ろ向きな私を見たらきっと千冬くんは、私と友達になっている事実すら嫌になるんじゃないかと



不安になってしまう。






｢千冬くん、キラキラ眩しいもん｣

｢髪色が？｣

｢違うー！！！！全身！王子様じゃん!!!!!!!!｣











｢＿＿＿＿あー、誰が王子様って？｣










あ、THE END私。




こんなの聞かれたくなかったのに。

好きだと言っているようなものじゃん。

15 松野千冬side→←13 松野千冬side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す