【東京リベンジャーズ】俺の心を離さないあの子が可愛すぎる

15 松野千冬side ページ15

＿＿＿＿全身！王子様じゃん!!!!!!!!





何回目なのかもう数えてない放課後。


俺の天使の教室から、天使の叫び声が聞こえてきた。


王子様？


なんだ、誰の話だ。

誰だよ、俺の女神の口から王子様じゃん！とか言われてるやつ。

殴ろうかな。


殴っても俺、許されると思わねぇ？


だって、人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られて何とやらって言うだろ？




やべぇ、史上最高に機嫌が悪すぎる。






｢千冬！お前また来たのかよー！｣

｢あ？てめぇ殴るぞ｣

｢おい待て、なんでそんな不機嫌なんだよ！怖ぇよ！｣

｢おい、Aちゃんの王子って誰だ｣

｢お前真顔で何言ってんだよ｣

｢こっちは真面目に聞いてんだよ｣






目の前にいるリア充代表の花垣武道に、本人に聞けというアドバイスを貰い


アドレナリン全開、怖いもの無しの俺は





｢＿＿＿＿あー、誰が王子様って？｣





俺が傷つく可能性など考えないで近づいた。



真っ赤になりながら涙目でパクパク口を開くAちゃん。




クソ。

クソ!!!!!!!!



こんな時でも可愛いとか、反則だろ！

俺にしろよって言いたい。

顔だけのやつなんて、中身しょーもねぇよって言いたい。






｢誰が、王子なわけ｣

｢え、あ、今、のどこまで聞い、た？｣

｢は？まず俺の聞いてることに応えろよ｣






イライラする。

勝手に嫉妬して、勝手に怒って

怖がらせてるってことも分かってる。


分かってるけど



止まんねぇからたち悪ぃ。





｢っ、う…千冬、く…｣





俺が怖い？


ごめん。


好きすぎてどうしていいのかわかんねぇよ。

我慢できねぇよ

自分の感情押し殺すなんて、餓鬼な俺にはできねぇから








｢早く言えよ｣

｢い、言ったもん…!!!!!!!!｣

｢…は？｣

｢もーっ…！知らない!!!!｣






意味がわからないまま、俺の手を解いて走って行ってしまうAちゃん。


え、待て待て待て待て…！


何のために迎えに来たんだ俺は…！

クソガキじゃねぇか。



しかも今の真っ赤で泣きそうな顔をほかの野郎なんかに見られてみろ





＿＿＿＿｢っ、や…離して…！｣






こうなるに決まってる。






｢もう！千冬くん！！！｣

｢す、すんません…ヒナちゃん…｣

｢暴走したら意味ないでしょ！もう！私じゃなくて、早く追いかけて謝って！！！！｣

｢は、はい…！｣








かっこ悪ぃ…


たった一人の女にこんなになって、全力で走って





｢っは…はぁっ…はっ…｣








｢お前、東卍の松野とよくいるよな｣

｢ﾔﾀﾞｯ…！助けて…千冬くん…!!!!!｣







感情のリミットなんて、外れちまうんだから。

16 松野千冬side ＋新作のおねがい→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す