193話 ページ10
そして出発の日。
「A！」
「あ、シンドバッド」
「何が困ったことがあったらすぐ俺を頼れ。必ずだぞ」
シンドバッドは私が出航すると決まってから、何故かずっとこの調子だった。
心配してくれているというのはとても伝わるのだが、ここまで来ると過保護すぎるような気もしてくる。
「うんうん、分かったよ。ありがとうね」
「本当に行くのか……？」
軽くあしらうとシンドバッドは私の手を取り、上目遣いで全身から子犬のようなオーラを出し始めた。
あ、あざとい。これが若い女だったらコロッと騙されていただろう。
だが生憎、私は幾万年生きている老婆である。
「王よ、今更何を言ってるんですか」
ジャーファルシンドバッドに手刀を下ろして、手を離させる。ジャーファルはそのまま私に笑顔を向けた。
「A、無事に帰ってきてくださいね。忘れ物はないですか？金属器も杖も持ちましたか？」
「流石に忘れないよ！！」
お母さんか？？？
じゃあシンドバッドはお父さん？
もしかして私は立ち位置的に二人の子供……？だからあんなに過保護なの？子離れ出来てないの？
そんな馬鹿げたことを考えていると、船がもう行ってしまうということで、私は慌てて船に乗った。
見送ってくれる者に大きく手を振る。
シンドリアにはお世話になった。
感謝の気持ちを込めて、私は呪文を唱える。
杖を頭上に上げると、大きな花火が打ち上がる。
「また会おうね！！」
シンドリア王国のみんなは初めて見るであろう花火に驚いた顔をしたが、その色とりどりの美しさに、最後には笑って送り出してくれた。
きっとまた、すぐに会える。
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中学生なのに暇人 - 鎬さん» こちらこそ読んでいただいて嬉しいです！コメありがとうございますがんばりますね！（ ; ; ） (2019年12月30日 0時) (
レス) id: 3eebcb6e18 (このIDを非表示/違反報告)
鎬 - マギ はアニメも漫画も見ていたのでこんなに面白い作品が読めて嬉しいです更新頑張ってください！！ (2019年12月21日 23時) (レス) id: b3f6bf7af3 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 蓮さん» ありがとうございます（ ; ; ） (2019年12月19日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 好き (2019年12月12日 23時) (レス) id: 5ce3a7aa8e (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 氷空音さん» わわ！嬉しいです！読んでいただいてありがとうございます（ ; ; ）更新は不定期になってしまいますが頑張りますね！ (2019年12月1日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中学生なのに暇人 | 作成日時：2019年10月8日 21時
