検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:15,671 hit

6 ページ8

「また来る」
「うん」

一世一代の恋愛劇を終えた花開院は1度家に帰るらしい。玄関には見送りの私と花開院だけ。

「けいか...いん...」
「あ?」
「りゅ、竜二...ありがとう。その、よろしくお願い...します...」

そういう関係なのだからもう苗字で呼ぶには他人行儀すぎる。恥ずかしくもむず痒い感覚を抑えながらお礼を言う。

恥ずかしくて思わず足元を見てしまう。何かしら反応があるとは思っていたがなかなか反応がない。もしかしてまだ早かったか...?と恐る恐る顔を向けると鳩が豆鉄砲食らったような顔でピクリとも動かない。え、なに。怖い。

「お前な...」
「急過ぎたかな...あはは...」
「ちげぇよ。嬉しすぎてびびっただけだ。これからも名前で呼べよA」

頬を赤くした竜二は照れたように頭をかいた。釣られるようにAの頬も赤く染まる。初々しい、年相応の女の子の表情だ。そんな初めての表情に竜二の心はキュッとゆるく締め付けられる。

「ちゃんと俺ん所に戻ってこいよ」
「うん」
「無理すんじゃねぇぞ」
「うん」
「ちゃんと飯食って寝ろよ」
「うん」
「勝手に俺から離れるんじゃねぇぞ」
「うん」

ちゃんと私を見てくれている。何度も何度も今日そう思ったことだろう。

Aは1歩前に出、竜二に近づくと指を軽く絡ませた。
自分より背の低い、少し筋肉質で細いその体を竜二は抱き締めた。

ふわりと吹くその春風。まるで2人を見守る父母のように暖かく2人を包み込んだ。

とある朝→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
113人がお気に入り
設定タグ:花開院竜二 , ぬらりひょんの孫   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

福永ふたば(プロフ) - ukaさん» 閲覧並びにコメントありがとうございます。中々いいネタが考え付かず、更新を止めておりましたが、嬉しいコメントをいただき、更新意欲が湧いてきました。スローペースにはなると思いますが、これからもよろしくお願い致します! (2021年1月11日 21時) (レス) id: e13b204695 (このIDを非表示/違反報告)
uka(プロフ) - 久しぶりに読んでもう最高!!完結頑張って!! (2021年1月10日 12時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
福永ふたば(プロフ) - 柳さん» コメント、そして読んでいただきありがとうございます!!考えていた話の流れが伝わり私も嬉しい限りでございます!それにニヤニヤして頂けたとは最高の褒め言葉です...! (2019年6月19日 21時) (レス) id: b99f0074da (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりにぬら孫の作品を読み、とても感動致しました!!夢主が可哀想でしたが、竜二のお陰で幸せになっていく様子にニヤニヤが止まりませんでした!! (2019年5月31日 0時) (レス) id: 1a02a166b9 (このIDを非表示/違反報告)
福永ふたば(山きりん)(プロフ) - ジンさん» コメントありがとうございます!!同じ竜二君好きさんにとてもとても嬉しい言葉を頂けて幸せでございます…!!無理しない程度に受験頑張ってくださいね!!私はこの小説で応援しています!!改めましてありがとうございました!! (2019年1月16日 22時) (レス) id: e13b204695 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:福永ふたば | 作成日時:2018年11月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。