63話 ページ15
「あ、そーだ。忘れてた」
カフェオレを飲んでいると、凛月が何か
思い出したのか、顔を私に向ける
「この前ESビルに呼ばれたの、なんだったの?」
『あー、あれか』
たぶん、茨さんに呼ばれたことだろう
『あれ、茨さんだったんだよね』
「あー、あの人、何考えてるかわかんないからあんまり好きじゃないんだよねぇ」
茨さんに対する凛月の印象はあまり良くないのだろう
『なんかね、新しいアイドルのプロデュースをしてほしかったらしくてさ』
私がそう言うと、2人はなんとも言えない顔をして、
苦笑いをしていた
「まさか…とは思うけど…」
「そのまさかでしょ」
『え、何々』
「その新しいアイドルってのは…」
『?Crazy:Bだよ』
そう言うと、2人は目を張る
「まじか」
『え、なんか問題??』
「問題も何も、問題しかねぇだろ」
「Crazy:Bはこの前、まーくん達のステージに乱入してきたり、その他諸々」
『その他諸々が気になりすぎる』
やはりESの問題児と言うべきなのか、
悪い意味で有名らしい
「A知らなかったの?」
「テレビとかスマホ見なかったの?」
『いやぁ、風邪拗らせてたからねぇ』
その時殆どの仕事があんずちゃんに行ってしまった
本当に申し訳ないと思っている
「A、ネットに疎いからねぇ」
「スマホ教室とか行かないのか?」
『あんまり関係ないよね』
でも、会ってみると以外と印象は変わるものだ
『いい人達だと思うけどなぁ』
(まあ、ギャンブラーの人は何考えてるかわかんないけど)
「でもAのことだから、もう承諾しちゃったんでしよ?」
『うっ…当たりです…』
いつも図星をついてくる幼なじみはすごいと思う
私の気持ちをわかってくれていそうで
「あれ、こんなストラップつけてたっけ?」
不意に凛月が私の鞄についたこはく君とのお揃いのストラップを見つけて聞いてきた
『あ、それ、Crazy:Bの桜河こはくって人とこの前ショッピングモールで出会って、お揃いで取ったの』
「………」
私がそう言うと凛月は黙る
『?どうしたの?』
「………なんでもないよ。可愛いじゃん」
『でしょ!』
一瞬、凛月はそのストラップを握りしめた気がした
でも凛月はいつもの笑顔の凛月だった
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唏浪(プロフ) - 氷雨さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただいて嬉しいです!🥹オチアンケートのほうもありがとうございます! (2022年12月30日 23時) (レス) id: fde1dd71ac (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 続編おめでとうございます!!楽しみにしてます💙オチアンケも投票しました! (2022年12月30日 22時) (レス) @page1 id: 6b8a2a10b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唏浪 | 作成日時:2022年12月30日 21時