【あんスタ】女王のバラード 4

#153 ページ6

｢どうしたんすか？？これ？？？｣

名刺と私の顔を交互に見ながら､声をあげる椎名さん

｢こずみっく……ぷろだくしょん……ここ芸能事務所っすよね……？？｣

｢割と新しい芸能事務所みたいですよ｣

貰ったばかりの名刺を渡すと､彼は驚きの声をあげる
は私を普通の高校生だと思っているし､学校のことも話したこともない

｢へぇ〜……じゃなくて！！！ていうか、なんでこんなの持ってるんすか〜っ！？｣

それは当然の反応だ。
普通なら芸能事務所の名刺を持ってる人なんてそうそう居ない

｢……今日､街で声をかけられて貰ったんです
でも私はあまり興味がないので､その燐音くんさんにあげてくださいな｣

｢あぁ､まぁAちゃん､可愛いっすもんね〜
スカウトとかって本当にあるんすね〜､テレビの中の話だと思ってたっすよ〜｣

私は嘘はついていない
そう解釈してくれるのならば好都合
たまたま､偶然声をかけられて貰ったことにしておこう

｢ていうか､Aちゃんが貰ったものを貰っても大丈夫なんすかね？｣

｢……拾ったってことにすればいいんじゃないんですかね｣

｢それもそうっすね！！ありがとうっす！！燐音くんも喜ぶっすよぉ〜！！｣

｢いえいえ｣

少々投げやりだか､彼が深く気にしない人でよかった
私が持っていても使わないのだから､欲しい人にあげるのが得策だ

｢(あの茨くんって子は使える人間はなんでも使いそうなタイプだし、その燐音くんさんに実力があれば採用しそうだしね)｣

これから先は彼次第だろう
私はきっかけを作ったに過ぎない､これから先どうなるかは誰にも分からないのだから

｢そういえば､Aちゃんってどんなアイドルが好きなんすか〜？燐音くんに参考にさせるんで､教えてください！！｣

｢そうですね……みんな素敵で甲乙つけ難いですけれど､夜になると元気とか､人の声を真似をするのが上手なとか、水遊びが好きなのに泳げなかったり､お人形さんが好きとか､占いが上手な人ですかね｣

｢それはいくら燐音くんでも真似出来ないっすね〜｣

｢ふふ、誰にも真似出来ないくらい個性的なので参考にはならないと思いますよ｣

｢アイドルって大変っすね〜｣

｢彼らは素でやってるから大丈夫ですよ｣

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