____キライ ページ24
『うっ、うぁっ』
迫り来る恐怖に足がすくんで上手く走れない。
後ろからだんだん近づいてくる恐怖にただひたすら追われ続けるだけ。
目の前でお母さんもお父さんもおばあちゃんもおじいちゃんも弟も妹も殺された。
いや、食べられた。
何故 私だけ逃げているんだろう
そう思っても足はひたすら動き続ける。
『きゃっ、』
着物の裾を踏んでしまってそのまま前のめりに転がる
慌てて振り向くともう奴は目の前に迫っていた
此奴は 言った。 お前がいちばん美味しそうだ と。
知るか。美味しそうなんて知ったこっちゃない
恨みも悲しみも恐怖もここまで来たら何も無かった。
体の震えもとまり、全身の力が抜けた
死を覚悟した。もうここで終わりだと。
私は今からこいつの腹の中で生涯を終えるんだって。
短い人生だったな。
せめて
せめて
____誰かを心から愛してみたかった。
雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃
凄まじい轟音と稲妻の音で顔を上げる
今度は何?
気がつけばさっきまで気持ち悪い笑みを浮かべて私に攻め寄っていた奴の体が地面にころがっていた。
その瞬間、綺麗な黄色い羽織が目に入る
「うわぁっ!!おっ、おっ、おにだぁっ!」
「ってえ、?死んでる!死んでるの!?」
「よくわかんないけど助かったぁ...」
彼はゆっくりと視線を私に向けた
「えっ!?あっ、君は!?」
『...助けてくれたの?』
「え?」
「いや、俺じゃない...と思う」
なわけない。彼と私しかここにはいないもの。
『ありがとう。』
そう言って笑いかけると彼は顔を真っ赤にして、
お、おれじゃないよ!?って慌てふためいた。
善逸「俺、我妻善逸。」
『私は、花園さあや。』
善逸「それにしても、どうしてこんな所に?」
それはこっちのセリフだと言ってやろうかと思ったがその必要はなかった。
善逸「あぁ...俺はちょっと逃げてきたっていうか、ね?」
人の心が読めるのだろうか。私の疑問にすぐに答えてくれた
『わたし、は』
『こいつから逃げてきた』
善逸「そっか、」
『...もう帰る場所がない。』
『家族はみんな殺された』
『私、どこに帰ればいいの?』
『ねぇ、教えて。助けて。』
彼を困らせることもわかっていた。
でも、自分でもどうしていいか分からない。
ただただ涙がこぼれおちた。
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花炭 - ツンデレ可愛い! (2020年4月6日 7時) (レス) id: 1204e3a38d (このIDを非表示/違反報告)
藤 - リクエスト面白かったです!!続編も頑張ってください!! (2020年3月7日 15時) (レス) id: 236dcf4985 (このIDを非表示/違反報告)
禰豆美(プロフ) - 珠那さん» 好きです、ありがとうございました!私の無茶ぶりを聞いてくれてありがとうございます!これからも頑張って下さい!!!!!!! (2020年3月6日 13時) (レス) id: c88b5278bc (このIDを非表示/違反報告)
珠那(プロフ) - アイリさん» ありがとうございます!!すみませんこのコメントとても嬉しいのですが、ツボに入ってしまって1人で早朝から笑ってますw 火雷神...最高の褒め言葉です(は)さあやちゃんの事も推してくれるなんて...ありがとうございます!!!ご期待に添えるよう頑張りますね^^ (2020年3月6日 6時) (レス) id: 585395257d (このIDを非表示/違反報告)
アイリ(プロフ) - 応援してます!!頑張ってください!!(頭おかしくてすいません…本当に面白いですっ!) (2020年3月6日 0時) (レス) id: 9994b3068f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠那 x他1人 | 作成日時:2020年1月29日 22時