首領の女 １１

佐野の想い ページ3

佐野
「あのさ、Aはオレと居たくねぇの？」

A
『居るじゃない、今一緒に』

佐野
「そうじゃなくて
オレは誰にも邪魔されたくねーんだよ
だから竜胆にソイツ連れて帰ってもらえ」

A
『そんなこと出来ない』

佐野
「なんで？」

A
『透人君は私を訪ねてここに来た
少し一緒にいてあげたい、ダメかな？』

佐野
「、、、、、、ソイツが満足したら帰ってもらう
それでいいな？」

A
『うん、ありがとう万次郎』

佐野
「ということで少し預かる
電話かけたら迎えに来い」

竜胆
「悪い、頼むわ」



















竜胆は部屋を出て自室に戻った

佐野は部屋に戻り
未だ泣いている透人を抱っこし
ゆらゆらと揺れているAを横目で見て
早く終わらせる為に仕事に取り掛かった



















A
『少しなら一緒に居ましょう
それでいいですか？』

宮下
「ぐすっ、、、ずっとはダメ？」

A
『主の機嫌が少し悪いので
それは厳しいかもしれません』

宮下
「あるじ？」

A
『万次郎のことですよ
ここの部屋の主は万次郎なんです』

宮下
「あのお兄ちゃん怖い、、、」

A
『普段は怖くないですよ
万次郎は私と過ごす為に透人君に怒ったのだと思います
とても忙しい人ですから
一緒に居られる時間なんてほとんどないんです』

宮下
「Aちゃん、寂しいの？」

A
『そうかもしれませんね、、、
でも忙しいのは理解してますから
私ばっかりワガママを言う訳にはいきません』



















なんとも嬉しいことを言ってくれるA
Aは分かりやすく透人に伝えているのだが
リビングのソファに座り
仕事をしている佐野の耳にも届いた
堪らずAを後ろから抱きしめ肩に顔を埋めた

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