怪物屋の半妖娘 (ページ40)

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9-6話ページ40

「零結石は差し上げる。交渉するなら手元にあった方がいいだろう」

「ありがとう。くっついてしまった時は正直焦った」

「役に立ててくれ、せめてもの報いだ」

俯くお兄さんが心配になる。お兄さんのような兄や姉というのは何でも自分だけで背負い込み下の兄弟に弱味を見せる事はない。

「1人でいいんだ、俺のした事はあまりにも罪深い」

(やっぱり…)

「業を背負うのは俺だけでいい」

お兄さんがそう言った瞬間あきちゃんがお兄さんをぶった。

「何度言ったらわかるんだよ！」

あきちゃんが文句を言いながら辺りを凍らせていく。

「僕は兄さんと一緒が嬉しいの！僕だけ何にもさせてくれないのが悲しいの！」

『あきちゃん…』

「晶、寒い」

気づいたあきちゃんが謝る。

「善悪の事はよく分からないけど、俺は結の事、いいと思う」

「夏羽殿、赦すというのか。俺を」

「ま、あんな事は日常茶飯事だからな」

『…ですね』

本当にあった。寧ろ擦りつけない、1人で背負い込む方が珍しいまだある。

「1人では耐えられないことも2人なら耐えられるって兄さんが言ったんだよ。僕たち、今日から2人だよね」

あきちゃんの言葉に素敵な兄弟、双子だと思った。

「何と言ったか、あれは。クレープとかいう。次は半分こしよう。今まですまなかった」

嬉しそうにあきちゃんがお兄さんに抱きついた。

余談

「そうだ、全部終わったらするって決めてたの！」

星を作ろうとしたのだろう。手を出すようにあきちゃんは言うが。

『…これ、6人だから星型なんないよ。私が写真撮ってあげるから5人で作ってー』

「えー！Aちゃんともやりたいー！」

「後からもう一枚撮ればいいだろ」

「そっか」

『はい、いくよー』