12.Will you be a good while I'm away ? ページ43
…どうしてこうなったんだっけ。
目の前にはぎゃーぎゃーと騒ぎ立てる小さな子どもの姿と、それと一緒になって走り回る4人の姿だった。
.
事の発端は一通の手紙だった。それはお母様からの久々の連絡で、何かあったのかとドキドキしながら封筒を開けると、母らしい綺麗な字で、こう記されていた。
「“愛しの娘、Aへ♡
元気にしてるかしら?最近帰れていなくてごめんね?でも執事たちと仲良くしているだろうからやぼやことは聞かないわ。今はね雪国に来ているの。珍しい動物や植物でいっぱいでいつかAも連れて行ってあげるからね!お土産には雪の結晶がいいかしら?あらゆる手を使って持ち帰らせるわ。
あっ、そうそう!今日ねボア家のテニュー様が子どもを預かってほしいってやってくるからおもてなしと対応よろしくね。
愛してるわ。 ハイド=ベルリア”」
と、志麻がノリノリで読み上げた。
私は志麻からその手紙を受け取ると、近くの窓からそれを投げ捨てようと振りかぶった。
「ちょっ!お嬢様!!」
「それ!奥様からの手紙ですから!!」
『前置きが長い!!内容がない!!そもそも勝手にまた決めて…!!』
ふるふると震える私を後ろから片手で抱きとめる志麻と、振りかぶった右腕を掴むセンラが諭し始める。
お母様のおちゃめっぷりは変わらない。
「お嬢、それでも準備なさらないとボア家の侯爵妃様いらっしゃるのも時間の問題では?」
『…はい。ごめんなさい。支度整えましょう。』
うらたに諭され返され、有無を言わせないような真面目な顔つきに頷くしかなかった。それを皮切りに志麻とセンラが離れ、ドアの方に向かっていく。うらたはそんな私を見て、頭をグリグリ撫でて私の腕を引いて歩き出した。
ボア家…ねぇ。
ハイド家と古くから親交のある公爵家一家で、いまは女当主のボア=テニュー様が一族を取り持っている。立ち振る舞いや言動がとても上品でかっこいい方なの。
密かに憧れてはいるんだけど、完全に私はお母様よりの性格しているわよねぇ。
そこからは執事の有能ぶりが発揮された。口の出しどころがないほど行き届いた清掃に、飾られた花の手入れ、屋敷内へあがられるかはわからないが一応お客様用のものはいつでも出せるようにしてあった。
「ところで、子どもってどういうことなんだ?」
と、私が1番気になっていた部分をうらたは読み返した。
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さくらいろ(プロフ) - over the rainさん» 応援ありがとうございました!長い間何も更新しておらずすみません…これからはちゃんと更新を続けていくつもりですのでまた見ていただけると幸いです! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - くらっかーさん» 応援ありがとうございました!ようやく受験が終わったのでこちらの活動の方も再開させていただきます! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - 舞花さん» 舞香さん、アカウント変えて気づかないかもしれませんが、リクエストの方了解致しました!私も後々やまだぬきちゃんは出演させる予定だったので参考にさせてもらいますね!ありがとうございます(*´˘`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 受験お互い頑張りましょう!また会いに来ます! (2020年1月1日 23時) (レス) id: 957c180cee (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 受験勉強大変ですよね!首を長くしてお待ちしてます! (2020年1月1日 9時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらいろ | 作成日時:2019年11月4日 0時