黄色い光 3

105.単純 ページ10

イブキくんの " 敵討ちー！ " とか何とか、そんな声援と呼べるのかはさて置き
今は集中
ミナト相手に油断なんて出来ない
はじめっから全力で行かなきゃ、終わるーー！


「…はじめーーッ！！」

「はじめっから全力で行かせて貰うよ…ミナトッ！！」


先手必勝とばかりにチャクラを拳に溜め込み床に殴り付けた
地割れの如く足下は段差を生み出し、簡単には避けられたけど
これでいいーー
高く飛び上がったミナトを見上げれば印を結んでいた
きっとイブキくんに使った風遁だろう
チャクラを足下に張り巡らせ、なんとか吹き飛ばされずには済んだが…
厄介な術だ
目眩ましとばかりに煙玉を使った


「ん！足場を悪くさせた所で余り変わりは無いと思うけど？」
「ーーへへっ！さてはて…それはどうだべねっ？」
「まぁ、そっちがその気ならこっちも行かせて貰うよッ！！」


煙の中、相手から見えないことを利用してクナイを投げてみたけど意味はなかった
煙を払いのけミナトの位置を黙視し、考える暇を与えない意味を含めミナトとの間合いを詰めより接近戦を用いた


「これでボクが勝てば…58勝56敗だね！」
「…うわぁ…そうやってネチネチ記録するの止めろって言わなかったッ！け…ッ！！」
「ッ！…Aに負けず劣らずの負けずッ！…嫌いなんでねッ！！」
「ぁ、因みにこれに勝っても57勝58敗の間違いだから…ねッ！」


正直、どっちでも良いだろ
と観戦していた誰もが思った事ではあるが、二人にとってはとても重要なことで
どっちも負けず嫌いと言う点に置いては一級品だ

ミナトの攻撃が当たらないように上手く避けつつ反撃をするも、受け止められ余り威力は与えられない
そんな応戦を繰り返す中で時折、スキがアレばミナトの足下を狙うようにクナイを投げ付けた
でもそんなのは簡単に避けられるか、振り落とされてた


ｼｭｯ

ｶﾞｼﾝ…ｯ


「……そうやってAはいつも考えなしに突っ込む…そのやり方は止めた方が良いって言ったよね？」


再び投げ付けたクナイが弾かれた瞬間を狙い接近戦へ持ち込んだけど、私の取る戦法はミナトには飽きられるほど単純で…
散らばって床に突き刺さるクナイが逆に身動きを取りづらくする結果になり本末転倒だ
無駄な行為かも知れない
でも

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