黄色い光 3

141.忙しい人 ページ46

「所で中忍試験の応募締め切り来週だけど大丈夫なの？」
「……ヤバいね」
「三人一組での応募条件なんだからさっさと見つけた方がいいよ…あーでも余ってる人いるのかな、」
「…Aさん怒ってます？」
「別にー？ミナトさんが下忍のままだったら面白いなーって思ってるだけだよ？」
「絶対、怒ってるでしょ」


別にミナトが言うほど…怒ってはいる
八つ当たりに近い怒りを…


「ふぅ…おいで、今日だけAの良いなりになってあげるから」
「なまら上から目線だね…っ」
「早く来ないとお婆ちゃんまでずーっと甘えられなくなっちゃうよー？」
「う…っ、」


形勢逆転された
両手を広げながらニヤニヤ笑うミナトに恥ずかしいような、怒りが込み上げてくるような…


「こ、こんな事…滅多にないんだからねっ！」
「はいはーい、Aちゃんが珍しく素直になってあげてるんだよね！」
「うぅ、っ…ばか」


ミナトの首に巻き付くように力を込めて抱きついた
少しの汗の臭いとミナトの匂い…それと


「…肉の臭いがする」
「……あのね、A…もう少し可愛い事言ってくれたらオレとしては嬉しいかな」
「んー、落ち着く」


首元に擦り付けるように顔を擦り付けた
背中を擦ってくれるミナトの手触りが落ち着く


「そう言えば…ねぇ、Aさん」
「なんですかー？ミナトさん」
「ミズハって子、オレ知らないなーって思ったんだけど…教えてくれないかな？」
「………」


ゆっくりと背中を撫でながら問いかけるミナトさんの顔を…横を私は振り向けれない
絶対笑顔だけど笑ってないのが、見なくても分かるからだよ！！
次から次へと良くもまぁ、忙しいヤツめ…
漏らしそうになるため息を呑み込み言葉を選びつつ説明した
説明するほどの深い仲でも…ない？よな…？、うん

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