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___________雨、風の音...
村の人達の困った表情。
そして、私を見るとても冷たい目。
______「この村から出ていけ!」
______「全部あんたのせいだ!」
何度も何度も、私の頭に響いてくる。
_________『止めて!そんなこと言わないで!!
全部、私の...せいなの?』
__________「お前が居なければこの村は平和だった。許さない、ゆるさない、ユルサナイ!
お前なんてキエテシマエ。」
次の瞬間、村の人達が孟スピードで追いかけてくる。
ーーーーーーーーー
『_____ッ!はぁ、はぁ、はぁ。さっきのは...夢?』
動機が収まらない。冷や汗もダラダラ垂れている。
ううん違う。あれは村に居たときの記憶...
あぁ、そうだ、私は村には戻れない。
追い出されたんだから。
ブンブンと頭を振る。早く悪夢を忘れたい。
私は横浜で新しい生活を始めるって決めたんだから!
その時ふと、天井があることに気が付いた。
そして、私が白くてふかふかなベッドの上で寝ていることも。
私は昨日の出来事を思い出してみる。
昨夜居た場所は...
あれ、私昨日の夜川辺に居たよね...?
壁に掛けられている時計を見ると、あと少しで6時になりそうだった。
昨日の夜に倒れたんだから、今は多分朝だ。
体を起こし、部屋にある窓から外を見てみると、雨が降っていた。
それも、相当激しく。
あぁ、そうか。
『...誰かが連れてきてくれたんだ。ありがとうございます。』
独り言を呟いたはずが、返事が返ってきた。
「どういたしまして。」
とても優しい声が聞こえて振り返ると、キレイな顔立ちの男性が部屋に入ってくる。
『...誰ですか?』
少し怖くなって小さな声でそう聞くと、
男性はうふふと笑って一言。
「私は太宰治だ。」
激しい雨音の中、太宰と名乗ったその声は、はっきり、そして静かに響いて雨の中に吸い込まれた。
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こぎつね(プロフ) - わぁ...!とっても嬉しいです!コメントありがとうございます(*´∇`*)これからも更新は遅いことが多いですが、頑張っていきますね(^-^)ゝ゛ (2021年2月23日 20時) (レス) id: b879b0bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
夢風(プロフ) - コメント失礼します。夢風と申します。お話、楽しく読ませて頂いております。これからも頑張ってください! (2021年2月23日 19時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こぎつね | 作成日時:2021年2月7日 5時