39、まるで人形 ページ40
足音を立てないようにゆっくりと、けれど速やかに階段を登りきって三階に到着した。
早まる鼓動を抑えるように、静かに深呼吸する。
横谷は今もAの体を乗っ取っているのだろうか。怪我はしていないだろうか、状況が分からない。
階段から続いている足跡を追って扉の前に辿り着く。
じわりと額に冷や汗がにじむ。
ぐっと歯を食いしばり、扉に手をかけた。
「A!!居るか!?」
扉を蹴破らんばかりの勢いで開く。
バンッ!と激しい音が建物内に響いた。
「っ……!」
その瞬間、心臓がドクンと大きく脈打った。
国木田は目を見開いて叫ぶ。
「A!!」
金色のふんわりした髪に、淡い緑色のワンピース。
目の前に居るのは確かにAだ。
しかしその目は見開かれ、エメラルドの瞳はただ虚ろに何処かを見つめている。
しっかりと立ってはいるものの、腕は重力に従ってだらんと垂れ、猫背の姿勢をしているせいで髪が顔を覆い、表情はよく見えない。
ただ真顔であることは確かだった。
まるで生気を感じないその姿に、驚きで息をするのも忘れる。
人形ではないかと錯覚する程、Aは異様な姿だった。
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ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時