検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:129,145 hit

39、まるで人形 ページ40

足音を立てないようにゆっくりと、けれど速やかに階段を登りきって三階に到着した。
早まる鼓動を抑えるように、静かに深呼吸する。




横谷は今もAの体を乗っ取っているのだろうか。怪我はしていないだろうか、状況が分からない。




階段から続いている足跡を追って扉の前に辿り着く。
じわりと額に冷や汗がにじむ。
ぐっと歯を食いしばり、扉に手をかけた。




「A!!居るか!?」




扉を蹴破らんばかりの勢いで開く。
バンッ!と激しい音が建物内に響いた。




「っ……!」




その瞬間、心臓がドクンと大きく脈打った。
国木田は目を見開いて叫ぶ。




「A!!」




金色のふんわりした髪に、淡い緑色のワンピース。
目の前に居るのは確かにAだ。



しかしその目は見開かれ、エメラルドの瞳はただ虚ろに何処かを見つめている。
しっかりと立ってはいるものの、腕は重力に従ってだらんと垂れ、猫背の姿勢をしているせいで髪が顔を覆い、表情はよく見えない。
ただ真顔であることは確かだった。




まるで生気を感じないその姿に、驚きで息をするのも忘れる。
人形ではないかと錯覚する程、Aは異様な姿だった。

40、二年振りの再会→←38、攫った犯人、その場所



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
177人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 国木田独歩 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。