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40、二年振りの再会 ページ41

「……A…A!!」




国木田は一目散に駆け寄った。
見る限り体が縛られている様子はない。
そのことに少しホッとするが、すぐに肩を掴んで揺らす。




「おい!……しっかりしろ!」




Aの肌はひどく冷たかった。
ひやりとした体温が手のひらを通して伝わる。




国木田はその肩を揺らすが、まるで首の座っていない赤ん坊のように首がガクンガクンと揺れる。
瞳は変わらず虚ろなままで何処を見ているか分からない。




「くそっ!一体どうなっている!!」




国木田が叫んだ、その直後。
背後に気配を感じた。
咄嗟にAを抱え、床を蹴ってその気配から距離を取る。




ほぼ同時に、ナニかが空を切り裂く音がした。




「あれ、外した」




外したと言いながらも愉快そうに目を細める人物。
気配の正体は一人の男だった。
その手には鋭く光る銀色のナイフが握られている。




「白髪に紫の瞳。……横谷直哉だな」




地に這うような声で国木田が睨む。




対して目の前の男は歪んだ笑みを浮かべた。
その瞳に光は無い。
まるでこの日を心待ちにしていたように、ゆっくりと口を動かす。




「当たりー。そしてお前は、これから罰を受ける殺人犯だ」




過去と現在、嘘と誠。
複雑に絡まっていた糸が今、ゆっくりとほどけていく。

41、僕にしか従わない→←39、まるで人形



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 国木田独歩 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時

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