正義と悪の境界線

8話:最強の肩書き ページ9

.

あの時、私は2人になんて言ったんだっけ…。

確か…



《タイプ相性も考えずに勝負を挑むなんて馬鹿よ馬鹿！

最強のポケモントレーナーになりたいのなら、

ロケット団ボスの1人や2人倒してみせなさい！》


…とかなんとか…

よく考えると恥ずかしいな…

そして、私はロケット団のボスであるサカキに勝負を挑み圧勝したんだった。


貴「懐かしいなぁ、あの時の2人の顔！」


私はポケモンリーグには挑戦しなかったけど、2人は私こそが最強なのだと言っていた。

最強の肩書きなんて、私には興味ないんだけど…

…そんな大して面白くない話を、ヨウは目を丸くして聞いていた。



ヨウ「すごい…」

貴「言うほどすごくないよ。私よりすごいトレーナーはまだまだたくさんいるし、それに…」

ヨウ「…それに？」

貴「…なに言うか忘れちゃった。」



危ない、うっかり口が滑るところだった。



話さなくていいことは話さない。





笑顔で曖昧に誤魔化してしまおう。



ヨウ「…ユキは、他の地方も旅をしてきたんだろ？」

貴「まあね…でも、その話はもう少し先のことになりそうだよ。」


そう言って指をさす。

朝日が昇ってきて船が向かう先、メレメレ島が姿を見せたところだった。

9話:時差って怖い→←7話:思い出話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す