【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第42話 貴方の理想と好きな人 ページ43

『･･･本当に全部食べてくれたんですか！？』


五個くらい持ってきた筈なのに･･･。

あの塩辛マフィンが全て国木田さんの胃の中かあ･･･。
塩分過多で体調を崩さない事を祈るばかりだ。


国木田「勿体なかったからな･･･」

『ありがとうございます！また、作ってきますから！』


見た目は上手くいってきてるし、練習していけば美味しいものが作れるようになる。

･･･そうしたら、国木田さんの理想に少しでも近づけるよね･･･？


国木田「･･･A」

『はっ、はい？何でしょう？』

国木田「気になったんだが･･･。何故、俺の理想の女性像を知りたがったんだ？」

『えっ･･･』


そりゃあ国木田さんの理想に近づきたいからですよ！


･･･って、云えたら良いのに。

というか、国木田さんの理想の女性像を読んだって云ったっけ？


国木田「･･･あ、いや･･･太宰がお前に教えたって云っていたのでな。それで･･･」

『ああ、そういう･･･』


･･･正直に云えないし･･･。
何て云おうか。


『その･･･私、す、好きな人がいて･･･。参考になれば、と思って･･･』

国木田「好きな人？」


･･･大丈夫かな？
バレてないよね、国木田さんの事を云ってるって事･･･。

不安になって、国木田さんの顔を見れば･･･。

何故か、とても難しい顔をしていた。

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