【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第37話 謝罪と綺麗 ページ38

『結び終わったんですか？ありがとうございます、国木田さん』


国木田さんも髪を結んでいるからか、私の髪は綺麗に纏まっていた。
流石だ、私とは大違い･･･。


国木田「い、いや･･･いきなり済まない」

『いえ、私が不器用なだけなので』


それにしても、不機嫌になった理由が全く分からない･･･。
･･･何かしちゃったのかな、私。


『あの･･･国木田さん、さっきまで怒ってました？』

国木田「怒ってた？･･･あ、いや･･･それはだな･･･」


訊くと、口をもごもごさせて国木田さんは黙る。

暫くすると、「そんな事より！」と話を逸らされてしまった。


国木田「･･･お前は髪が綺麗だな･･･」


さら、と髪を撫でられる。
それと褒められたのも相まって、私はすっかりドキドキしてしまった。


『っあ、ありがとうございます･･･！』


緊張して、声が裏返りそうになった。

･･･なんでそんな事を恥ずかしげもなく云えるんだ･･･。


国木田「･･･おいA、顔が赤いぞ。風邪でも引いたか」

『な、なんでもないです！』


貴方の所為ですよ。
･･･この、鈍感無神経男。

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