３２話:現実を受け入れる ページ17
「A」
もう聞くことの出来なかった声で私の名前を呼
ぶ。
『どうしたの？お母さん』
「Aは幸せ？」
笑顔で聞いてくる母。
『幸せだよ？皆で暮らせてるしね。』
なんの不自由もない生活だ。母と父と私と私。
４人で幸せに暮らせてる。それだけで十分なの
だ。
「そう…、でも私は悲しいの。貴方も気が付い
ているでしょう。ここは現実の世界じゃない。
もうすぐで私達は貴方と離れなければならない
の。」
そう言って母は目に涙を溜めて私の手を掴む。
『え…』
母さん達と離れる…？どういう事か理解できな
い。それに現実の世界じゃないって…。
そこまで考えると頭がズキズキと痛みだす。
何かを思い出そうとするも思い出せない。
「けど、貴方がここに残りたいって言ってくれ
るなら…ずっと一緒にいれる。」
頭が痛くて何を言っているのか分からない。
『っ…何…これ』
目の前にいる母が歪んで崩れていく。
「Aちゃん」
『！！』
「Aちゃん、早く行かなきゃ師匠に怒ら
れちゃうよ。」
頭の中で誰かの声が聞こえてくる。知ってる筈
なのに思い出せない。
「おい、Aモブおせーぞ。依頼主待たせ
てるんだ、早くしろよ」
どんどん頭に流れ込んでくる。
「おいA俺様と強くなってみねぇか！」
「はぁ…、A兄さんに余計な心配させな
いでよ。…僕にも。」
『り…つ…』
そうだ、律達を助けに来たんだ。
「僕はAちゃんを信用してるんだ。」
モブとエクボと花沢と私で…。
「A？どうしたの？」
手に触れる母ではない何か。
『…一緒には行けない。』
「…」
『私の母さんや父さんはもういない。』
目の前で母だった物がぶくぶくと溶けていく。
『私の記憶を見たのかは知らないけど、私の大
切な人に化けたって意味ない。
私にとって今が一番大事なんだ…。』
「…つまんないなぁ。自分で抜け出しちゃうな
んて。」
そう声が聞こえた途端目の前が眩しい程の光に
包まれる。
『…っ』
「やぁ、こんにちは黒永Aちゃん。」
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ぽめしばちぃーず - ただのアニメ好き☆さん» 前回もコメントありがとうございます！皆さんが読んでくださっているので続けられています！本当にありがとうございます！ (2019年4月8日 11時) (
レス) id: dc66c6f612 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - とってもお話面白いです！無理をなさらずに更新頑張ってください！ (2019年4月8日 1時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - 返信嬉しいです！これからも読み続けさせていただきます！ (2019年4月7日 11時) (レス) id: 9791386aac (このIDを非表示/違反報告)
ぽめしばちぃーず - れいなさん» れいな様。感想ありがとうございます！更新頻度が低下しないように頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年4月6日 11時) (レス) id: dc66c6f612 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - とても面白いです！続き待ってます！ (2019年4月6日 10時) (レス) id: 9791386aac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽめしばちぃーず | 作成日時：2019年4月2日 15時
