50:部員 ページ1
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「A君、何してるんですか？」
『おはよう、テツヤ。今オレは今世紀最大に困ってる』
夏休み、ある日の朝。
通学路でしゃがみこむAを黒子が見つけた。
彼は振り返らず、立ち上がらず、黒子に対応する。
視線の先に何かあるのは確実だった。
「何かあるんですか？」
『いや…その……犬』
「犬？」
何かと思えばそこにはダンボール。
きっと捨て犬なのだろう。
基本的に決断の早いA。
この場合は「ごめんな」と残して立ち去るのが彼らしいだろう。
だがそうしないところを見ると、思うことがあるようで。
黒子は珍しそうに彼を見ていた。
『ウチに連れて帰れないのはそうなんだけどさ』
「はい？」
『オレの親友に似てるんだよ、この子』
変なことを言ってるな。
正直な話、黒子の第一声はそれだった。
もちろん心の中に止めてあるのだけれど。
少しだけAの後頭部に冷たい視線を送って黙り込む。
この場合、何と返すのが正解なのだろうか。
「誰ですか、それ」
『テツヤ』
「え……？」
場所は変わって誠凛高校体育館。
集合時間よりも幾分も早く集まった部員たちが、残りの二人を待っていた。
「あの…」という黒子の声を聞き、皆が振り返る。
早すぎる集合に、やる気を感じたのも束の間。
『拾いました』
「は？」
「犬」
沈黙、長い沈黙。
そして案の定、驚愕。
信じられないほど二人に懐いていたし、何しろもう一度捨ててくるわけにもいかない。
どうするべきか悩むところだった。
「Aがこういう結論の出ないこと持ち込むなんて珍しいな」
『えーと、オレだって面倒見れないかなと思ったんですけど、あまりにもテツヤに似てたんで……』
「え？ ホントだー！！」
やはり似ていたらしい。
主に、目が。
そしてそれに気づくとAと同じ。
愛着が湧いてきてしまうものなのだ。
「よーしお前の名前はテツヤ2号だ！」
『やったね2号。キミ、テツヤと同じ名前貰えたんだよ？』
「このままじゃ飼う流れに……」
火神が犬が苦手だとか、部活に支障が出てはいけないだとか。
リコが合流して、改めて緊急会議が開かれた。
と言っても、火神以外は賛成派。
多数決なら圧倒的な差だった。
そこから一日で彼を納得させるという、黒子とAの戦いが始まり、見事成功。
『2号おいで』
「わん！」
新たな新入部員が誕生した。
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ちさ子(プロフ) - 明後日打ったんで誤字になってて恥ずかしいです〜！！こちらこそレスありがとうございます！ (2019年12月19日 9時) (
レス) id: 62cdfd78f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん、(プロフ) - ちさ子さん» あわわわコメントありがとうございます！！ありがたいお言葉で頑張れます！ (2019年12月18日 16時) (レス) id: 97d132fcbf (このIDを非表示/違反報告)
ちさ子(プロフ) - すごか面白くて、一気に読みました！！続き楽しみすぎて眠れないです笑笑 (2019年12月18日 3時) (レス) id: 62cdfd78f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん、 | 作成日時：2019年6月1日 0時
