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「…わかりました」
Aがため息混じりでそう言ったので俺は驚きながらも涙が出そうなぐらい喜んだ。
「マジかA!俺を助けてくれるのかよ!」
「…」
ギロッと俺を睨む青い目。
完全に怒ってる目だった。
たぶん俺に向けられた怒りというよりかは脅してきた担任に対して。
でもやっぱり担任は鈍感らしくて、オーケーしたAに向かってニカッと笑った。
「よっしゃ!これで留年はまず無さそうだな。頼むぜ、A」
「……はい」
Aはいつも通りの表情で担任に返事をした。
「(…猫かぶってることを他の先生に知られたくない。このクソ担任、ホントめんどくせぇな)」
「Aー!!」
俺が泣いてAに握手しようとしたら普通に払われて、冷たい顔で言われる。
「触るな、この犬」
「い、犬!?」
「悪いが、手加減するつもりはない。途中で泣くことになっても知らないからな」
Aはガチな目をしてた。
俺はそれにちゃんと応えるべく真剣な顔で頷いた。
「上等だわ!お前も俺が頭良すぎてびっくり仰天しないように腹くくっとけ!」
「…はぁ…」
Aはまたため息をついて腕を組むと俺から目をそらした。
俺は俄然やる気になってた。
なんたって俺の留年がかかってるし、念願のAと近づけるきっかけもできた。
だけども俺は甘く見てた。
これから始まるテスト勉強の過酷さを。
そんでもって俺は入試をトップで通過した女のスパルタ勉強に泣くことになる。
そして、未だ知らなかった。
このテスト勉強で過ごすAとの触れ合いこそが今後俺の恋を大きく左右することになるとは……________
次回、テスト編スタート!
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神野拓丸(プロフ) - 更新頑張ってください! (2018年5月12日 14時) (レス) id: 044a8ccaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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