まいご 5 ページ20
その様な騒動は露知らず、探偵社では社員達と幼子が和気あいあいとした雰囲気で遊んでいた。
「ほーら、高い高ーい!」
「きゃー!」
治春は今、賢治に『高い高い』をしてもらい、きゃっきゃっと笑っている。
ただし、普通の『高い高い』とは異なり、天井スレスレまでグン、と結構なスピードで持ち上げられる(と云うより放られる)という、普通の一才半の幼子からすれば相当ハードな代物だった。
「あ、け、賢治くん、落とさないでぇ…」
きゃらきゃらと楽しげに笑う治春とは裏腹に、敦は幼子が怪我でもしたら、と真っ青になってその様子を見ていた。
「けーちゃ、たかいねぇー!」
「それは良かったです!治春ちゃんは高い高いが大好きなんですね〜!」
「うん!ぱぱね、くろちゃでたかいたかい、しゅるの!」
高い高いに満足したらしい治春は敦の腕の中で、谷崎兄弟から貰ったお菓子を食べながら身振り手振りを交え話し続ける(その横で国木田が「食べながら喋るな!」と云いつつ、ハンカチで口許を拭いていた)
「でもね、ちゅやはね、もっとたかいたかいなの!びゅーん!しゅるの!」
「おかしいなぁ…治春ちゃん、あの蛞蝓は『低い低い』じゃないのかい?」
「ひきゅい?なめ…う?」
「そ、低い、だよ〜。治春ちゃんは賢いね〜」
太宰が治春の頬をふにふにとつつき、治春がきゃー!と笑うと同時に、探偵社事務所に続く階段から、どたばたと大勢の足音が聞こえてきた。
そして皆が身構える間もなく、バンッと扉が開けられ、黒服の集団が雪崩れ込む。
「…ッ、ポートマフィアか…!」
国木田は、とっさに幼子を抱えた太宰を庇おうとした、が
「おや、治春ちゃん、もうお迎えが来たみたいだね」
太宰はそんな国木田の横を抜け、銃を構える黒服達の前に出る。
そして、何時もの調子で
「ほら、心配しなくても治春ちゃんは怪我1つしていないから、そろそろ出てきたらどうだい?パパ?いや…芥川くん?」
と云うと、黒服達が道を開け、芥川とA、更にその後には中原と尾崎が歩いて来た。
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チエリ(プロフ) - リクエストです。娘ちゃんの七五三が見たいです! (2020年12月2日 16時) (レス) id: 26773a3f05 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - リクエストしてもいいですか子供ちゃんが芥川君にいやと言って太宰さんに懐いたらお願いします (2020年11月28日 14時) (レス) id: c1f033818d (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 更新楽しみです! リクエストで 夢主が長期任務に行ったらでお願いします 医療なのであまり無いと思いますがお願いします! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 森さんとエリスとの触れ合いが読みたいです。 森さんにお茶を運ぶちーちゃんとかエリスとおままごとするちーちゃんとか… 中也の帽子を被って真似っこするちーちゃんとか。 (2020年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ(プロフ) - リクエストよろしいですか?治春ちゃんが風邪ひいて、主人公と芥川が看病するお話はどうでしょうか? (2019年8月12日 8時) (レス) id: 6738e6e757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:独楽:ころん | 作成日時:2018年8月12日 20時