【文スト】現実主義者の妹は【国木田独歩】

#1 ページ2

Aside

行く宛が無く、ふらふらと歩いていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿兄さんと別れて6年。
兄さんは教師やっていると聞いたが、私が違う。毎週、依頼が舞い込んで来るのだ。

≪彼奴を殺せ≫だの≪あの組織を潰せ≫
だの≪ある人を護衛しろ≫だの様々な依頼だ。

だって私は、“狙撃手”なんだから。

暫く歩いていると、携帯が鳴る。
鞄から携帯を取り出し、画面を見る。

『＿＿依頼だ』

見たことの無い番号だったからだ。
直ぐに近くの路地裏に行き、電話に出てみる。

『もしもし..依頼、でしょうか』

「嗚呼＿＿頼むよ」

『内容は...如何なさいましょう』

「ある組織の人間2、3人を...頼みたい」

また殺.人の依頼か。

『はい..分かりました。何時、標的を仕留めれば..』

「今日、午後2時30分はどうかね」

『2時30分ですね。大丈夫です。場所はどうしますか』

「街中を標的が通る。確か、赤レンガ倉庫周辺だったな。今日標的が周辺の路地裏で取引をするんでな。其処で大丈夫か」

街中...関係無い犠牲者が3人は出るな。
だが...此れも仕事だ。

『了解しました。標的の外見などはご存知ですか』

「嗚呼。黒いスーツで、銀色のスーツケースを持っている。左側のポケットに、
グロッグ17が入っている筈だ」

グロッグ17..か。そんな危険な銃では無いな。

『ですが...関係の無い犠牲者が出る可能性があります。其処は..分かっていますか？』

「嗚呼。勿論だ」

『...分かりました。やるからにはそれ相応の報酬を頂きますよ？』

「考えておく」

『では...お名前をどうぞ』

「長谷川だ」

『....長谷川さんですね。一応、本人確認の為、一度お会い出来ますか？』

怖いが。

「そうだな。怪しまれ無いように...喫茶店はどうだ。あの雑居ビルの」

『分かりました。まだ決行までは5時間あります。なので30分後はどうです？』

「了解した」

『では..また後で』

そう云い、電話を切る。
その瞬間、

「あ、いました！！」

聞き覚えのある声。
振り返ると、

「首領、どこ行ってたンです？」

部下の葵が小声で云う。

『ごめん。依頼だ。』

葵の周りに居る職員が唖然とする。

「またですか。首領は本部に居ればいいンです。もしもの事があれば俺は...」

『大丈夫。だって私、“世界一の狙撃手”なんでしょ？』

「それもそうですね！依頼人との密会場所、行きますよ！」

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展開が急。
途中で出てきた長谷川さん、実は物語の展開のとても重要な鍵となります
お楽しみに

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